2006年 アメリカ
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ヒュー・ジャックマン、 クリスチャン・ベイル、 マイケル・ケイン、
スカーレット・ヨハンソン、 レベッカ・ホール
二人の奇術師の争い。 ★★★☆
原作は世界幻想文学大賞を受賞しているとのこと。
19世紀末のロンドンを部隊に、2人の天才的奇術師の争いを描いている。
冒頭から驚かされる。
舞台からの消失をおこなったアンジャー(ヒュー・ジャックマン)は、なんと舞台下の大きな水槽の中に落ちてしまう。
舞台下に忍び込んで、呆然とそれを見ているボーデン(クリスチャン・ベール)。これは?
アンジャー殺しの罪でボーデンは逮捕され、死刑の判決を受けてしまう。
ここから物語はさかのぼっていく。
なにしろ監督はクリストファー・ノーランなので、物語を単純には描かない。
時間軸を入れ替えて差し出してくる。
観ている方も気が抜けない。えっ、今映っているのはいつのことなんだ?
修業時代からお互いに相手を認め合っていたアンジャーとボーデン。
しかし、アンジャーの妻が水槽からの脱出マジックに失敗して命を落としてしまう。
その原因がボーデンにあったことから、アンジャーは彼への復讐に取り憑かれていく。
そしてアンジャーが仕掛けた事柄で、ボーデンは左手の指を2本失ってしまう。
マジシャンにとっては致命的なのだが、これは・・・。
手帖を相手が読んだり、日記を相手が読んだり
ボーデンは妻(レベッカ・ホール)をめとり幸せな家庭を築く。一方のアンジャーも、美しく優秀なアシスタント、オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)を得る。
それぞれに二人のマジックのステージは評判となる。
しかし、ボーデンの妻は自殺し、二人の確執は一層激しいものとなっていく。
軸となるマジックは、人間瞬間移動。
二人はそれぞれにこのマジックを成功させようと必死になる。
そしてここで登場するのが、天才的な電気に関する発明家ステラ。
ステラの驚くべき発明をふたりはそれぞれに応用して人間瞬間移動のマジックをおこなう。
アンジャーはオリヴィアをスパイとしてボーデンのところへ送り込んだりもする。
(そうか、バットマンのところへもブッラク・ウイドウはスパイとして忍び込んでいたんだ 笑)
人間瞬間移動は同じ現象を見せるトリックなのだが、最終的な二人のタネはまったく違っていた。
うへえ。なるほど。
その根本的なタネのあたりが幻想文学を原作とした点に表れている。
(以下、重大なネタバレあり)
ステラがおこなっていた実験で、シルクハットがいくつも庭に転がっている図が映し出される。
結局は、あれがヒントだったんだね。
この映画、1回見ただけではアンジャーもボーデンも、どの彼(!)なのかが混乱してくる。
タネを知った上で、もう1回観ないと真の面白さは判らないかも知れない・・・。
奇術師を扱った作品としては「幻影師アイゼンハイム」があったが、あちらよりはかなり面白かった。
さすがにクリストファー・ノーラン監督でした。