あきりんの映画生活

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「眼下の敵」 (1957年)

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1957年 アメリカ 98分
監督:ディック・パウエル
出演:ロバート・ミッチャム、 クルト・ユンゲルス

エンタメ系戦争映画。 ★★★

第二次世界大戦中の駆逐艦とドイツUボートの戦いを描いた作品。
どちらも単独行動中だったので、まったくの一騎打ちが始まる。

潜水艦の戦いものは面白い。
駆逐艦は、ソナーを頼りに潜水艦の位置を推測して爆雷攻撃をおこなう。
それを避けるために、潜水艦は圧壊深度を超えてでも深海に潜り身を潜める。
ミシミシと艦が軋む音は乗組員にとっては恐怖以外の何ものでもないだろうなあ。

そして潜水艦は、艦のまっすぐ前方か後方に駆逐艦を捉えることが出来れば魚雷で狙える。
しかしそのためには一度は潜望鏡深度まで浮かびあがる必要がある。
そのときを見つかってしまえば万事休すとなる。
お互いに敵の動きを予測して自艦を持っていこうとする。

こうして戦いでは、派手さだけではない駆け引きがあり、両者の読み勝負、頭脳勝負の面が大きなウェイトを占める。

潜水艦を扱った漫画に「沈黙の艦隊」があった。
自衛隊原子力潜水艦が反乱を起こし、日米の国防問題を見つめなおすという内容だったが、とにかくアメリカ太平洋艦隊との攻防が面白かった。

さて。
この映画が好かったのは、駆逐艦の艦長、ロバート・ミッチャムと、潜水艦の艦長、クルト・ユンゲルスの二人の人間性を充分に描いていたところ。
二人ともこの戦争で妻や子供を亡くしている。
しかし、だからといって敵への憎しみがあるのではなく、戦争そのものへの懐疑があるのだ。
そんな思いの中で、彼らは知力を尽くしてお互いの敵を倒そうとしている。

(ちょっとツッコミ)

互いの攻撃でそれぞれにダメージを受ける駆逐艦と潜水艦。
潜水艦艦長は、駆逐艦に反撃の能力がないと判断し最後の砲撃を加える前に5分の猶予を与えると通告する。
武士の情けのようなもの。
ところがこの通告を受けた駆逐艦艦長は、猶予してくれたその5分間を利用して反撃する。
これ、どう考えても卑怯な気がするのだが・・・(汗)。

シリアスな潜水艦もののとしては、名作との評価が高い「Uボート」があった。
しかし、この映画もエンタメ系ではあるが、充分に潜水艦ものの名作と言えるのではないだろうか。