あきりんの映画生活

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「幸せへのキセキ」 (2011年)

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2011年 アメリカ 124分
監督:キャメロン・クロウ
出演:マット・デイモン、 スカーレット・ヨハンソン

家族再生のドラマ。 ★★★

新聞社の突撃レポーターだったベンジャミン・ミー(マット・デイモン)は、半年前に最愛の妻を失う。
残された息子、娘と、茫然自失の日々。
特に多感な息子は心に深い傷を負って、父も上手く関係をもてない。
こりゃいかん、何とかしなければ。

ということで、新しい生活を求めて田舎に新しい家を購入する。
こりゃ家も広いし、庭も広くていいや。おまけに、虎もいるぞ? 蛇もいるぞ? えっ?!
そうなのだ、気に入った家には閉鎖された動物園が付属していて、それを管理するのが購入条件だったのだ。

マット・デーモンが反抗期の息子と、おしゃまな娘の子育てに奮闘。
超ポジティブ思考のようで、まったくくよくよしない。パーッとやってしまう。
映画だからそれで上手くいくけれど、現実世界だったらそんなに上手くはいかないだろうなあ。でも、これは映画だからなあ。

動物園に付属していた(?)従業員が個性的だが、また好い人ばかり。
(閉園していたあいだの給料は誰が払っていた?)
なかでも飼育員のリーダーのスカーレット・ヨハンソンが好い。
色恋などそっちのけの動物飼育好きで、男勝りの粗野さで、動物園管理には頼りになるのだ。
それでいてスカヨハだから魅力的だし・・・。

息子は、バック・トゥ・ザ・フューチャーの頃のマイケル・J・フォックスを思わせる好少年。
心の闇のままに恐ろしい絵ばかり描いていても、好きな女の子のことが気になって仕方がない初心さがいいなあ。
小生意気で、それでいて無邪気な娘がまた可愛い。

それにしても邦題の「幸せへのキセキ」には、なんとも言いようがないお粗末さがある。
キセキを奇跡と軌跡に掛けたのだろうけれど、酷い。
原題の「 動物園を買ってしまった」の方が何倍もマシだった(汗)。

じめじめさがまったくない、カラッとした作りの映画。
目的もはっきりしている。農水省の検査に合格して動物園を再オープンさせること。分かりやすい。
いろいろな困難や騒動はあったものの、みんなで頑張ったぞ。
いよいよ動物園再オープンの日。
期待して待っていたのに、開演時間に一人も客が来ない。あれ? やっちゃった?

大変にベタな展開だが、観ていてほのぼのとしてくる。
それというのも、この映画には一人も悪人が出てこないのだ。
わずかに農水省の検査官が嫌みな奴だったが、根っからの悪人ではなかった。

こんな絵に描いたようなドラマが、最後の字幕で実話を基にしていると知って驚いた。
そうなんだ・・・。
ただ、実際のベンジャミン・ミーが動物園付きの住宅を手に入れたのは、奥さんが闘病している最中だったとのこと。
そして動物園が再オープンする3ヶ月前に奥さんは亡くなったとのことだった。

気持ちが癒される映画です。
マット・デーモンは記憶を失った諜報員でもなく、火星に置き去りにされることもありません。良き父親として頑張っています(笑)。