あきりんの映画生活

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「第九軍団のワシ」 (2010年)

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2010年 イギリス 114分
監督:ケビン・マクドナルド
出演:チャニング・テイタム、 ジェイミー・ベル、 ドナルド・サザーランド

歴史活劇もの。 ★★☆

野を越え谷を越えて続く長城なんて、万里の長城だけかと思っていた。
知らなかった。ブリテン島にもハドリヌス長城などというものがあったんだ。

舞台はローマ帝国支配下ブリテン島。
北のスコットランドに攻め込もうとしていた最強のローマ帝国第九軍団は、なぜか行方が判らなくなり、象徴である黄金の鷲もどこかへなくなってしまった。
(で、これ以上は北方を侵略するのは止めようと思ったハドリヌス帝が、北からの侵略を防ぐために作ったのがハドリヌスの長城だとのこと)

さて、主人公のマーカス(チャニング・テイタム)は、その行方不明になった第九軍団の指揮官の息子。
なんとしても父の汚名を晴らして、失われた黄金の鷲を取り戻すぞ。
マーカスは、命を助けた奴隷の青年エスカ(ジェイミー・ベル)を従え、長城を越えて、野蛮地帯とされていた北方へ出かけていく。

今もイングランドスコットランドの間には少なからぬ確執があるようなのだが、このローマ帝国時代にすでに対立があったわけだ。知らなかったなあ。
日本で言えば、大和民族アイヌ民族の対立みたいなもの? ちょっと違うか・・・。
(ちなみに、”イギリス”という言い方は、日本以外ではあまり通じないそうな)

それはさておき。
冒頭で、マーカス率いるローマ軍と北方民族の激しい戦闘場面がある。
ほとんど飛び道具を使わない肉弾戦で、身体同士がぶつかり合うような闘いはリアル感が半端ではない。

物語の中心は、ある北方部族が持っていた黄金の鷲の奪還。
奪い返した黄金の鷲を持って必死に長城まで逃げ帰ろうとするマーカスとエスカ。
追ってくる白塗りの北方民族の一団。不気味で怖ろしい。
この民族は馬に乗らない。
しかし彼らの野山を走るスピードの速いこと。馬で逃げるマーカスたちに次第に追いつくほどなのだ。

物語のもう一つの主題は、マーカスとエスカの主従関係を越えた友情。
あの「走れメロス」をふと思い出させるような展開のところもある。私を信じて、動かずにここで待っていてください。必ず戻ってきますから。

(以下、ネタバレ)

最後の決戦。
多勢に無勢。どう考えたって勝ち目はない。結末はどうなるのだろうと思っていた。
そしたら、えっ? 勝っちゃったの? 嘘でしょ。

スコットランドの風景は美しく、戦闘場面も迫力があった。
歴史活劇ものとしては充分によくできた映画だった。
原作はベストセラーのかなり長い小説らしい。
2時間足らずにまとめるのは、かなり物語を切り詰めたのだろうな。