1965年 イギリス 130分
監督:アンソニー・マン
出演:カーク・ダグラス、 リチャード・ハリス、 ウーラ・ヤコブセン
戦争活劇もの。 ★★★
”要塞もの”としては「ナバロンの要塞」がいちばん有名だろう。
この映画は、ノルウェーにあったナチスの原爆製造に必要だった重水の工場を破壊しようというもの。
(だから、本当は”要塞”ではない。原題は”テレマークの英雄たち”)
ノルウェーのレジスタンスのクヌート(リチャード・ハリス)は、ナチスの原爆製造計画を手に入れる。
そこで相談を持ちかけたロルフ博士(カーク・ダグラス)とともにイギリスへ密航し、連合国本部と対策を相談する。
よし、コマンド部隊を送り込んで工場を破壊すべし。
ところが、そのコマンド部隊を載せた輸送機は墜落してしまった。さあ、どうする?
ここからは現地のレジスタンスが懸命必死の行動に出る。
たった9人で険しい峡谷にある工場に忍び込んで爆破しようとする。
ロルフの元奥さん(ウーラ・ヤコブセン)も協力してくれるぞ。
工場への潜入、爆破、そして雪山のスキーでの追跡劇など、アクションはなかなかに好くできている。
不満だったのは、人物像の描き方がなんとも中途半端だったところ。
はじめは行動に参加することを嫌がっていた科学者のロルフ博士が、途中からは先頭に立って大活躍をする。
どういう心境の変化? それに科学者のくせにアクション上手すぎ(笑)。
元奥さんとのかつての関係もよく判らない。今の感情もよく判らない。
ま、活劇ものだから、そのあたりには目をつぶるか。
このあとも、レジスタンスの必死の活躍は続く。
せっかく重水製造設備を爆破したのに、別の場所から代替え品が届いて2週間で工場は元通りだぞ。ナチスめ、しぶといな。
ではということで、工場の空爆を敢行したが、これも失敗する。
さあ、どうする?
史実に基づいた物語とのこと。
実際にガンナーサイド作戦というのがあったそうだ。
この人たちの活躍がなかったら、ナチスは実際に原爆を作り上げてしまっていたかもしれない。
世界の歴史は大きく歪められていたかもしれない。
そう考えると、勇気ある人たちの行為に感服あるのみ。
50年以上前の映画ですから、古くさい雰囲気があることは否めません。
しかし、「少年マガジン」や「少年サンデー」の巻頭2色刷冒険活劇頁が好きだった男の子の経験がある人だったら、きっと満足するでしょう。
活劇てんこ盛りの、そんな映画です。