あきりんの映画生活

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「悪夢探偵」 (2006年)

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2006年 日本 92分
監督:塚本晋也
出演:松田龍平、 Hitomi、 塚本晋也

サイコ・サスペンス。 ★★★

眠っている人が、夢にうなされて自分の体を傷つけて自殺するという怪事件が、続けて起こる。
捜査にあたる女性刑事、霧島(Hitomi)は、他人の夢に入り込める特殊能力を持った”悪夢探偵”影沼(松田龍平)に、協力を依頼する。

とにかく気持ち悪い映画。
塚本晋也監督の作品は、実験映画的だった「鉄男」でみせたグロテスクさに惹かれていた。
この映画では、はじめの荒々しさが少なくなった分だけ、どろどろとしたグロテスクさはより充満していた。

松田龍平演じる影沼は、いつもだるそうにしている。
覇気はない。そして、他人の夢に入り込むのは嫌だ嫌だ、といいつづけている。
そしてヒロインの女刑事に歌手のhitomi。
実は彼女のことはなにも知らなかった。
いつも三白眼でカメラを睨み続ける。そして台詞は棒読みに近い。
それがかえって不気味さを出していて、案外に映画の雰囲気には合っていた。

手持ちカメラがぶれた映像で、悪夢世界を伝えてくる。
見えない影が迫ってくる場面とか、効果的な物音とか、悪夢というものを、ひとつの美意識から見事に映像化していた。
これは大したものだった。

監督、脚本、原作の塚本晋也が、正体不明の犯人を演じている。
彼はよく自分の映画に出演する。様々な形での表現欲の強い人なのだろう。
犯人が目から血を流しながらナイフで襲い掛かってくる場面はなかなかに迫力があった。

ホラーやオカルト映画には疎いので、他のこういった作品との類似性とかはまったく判らない。
電話をかけたら呪われる、あるいはビデオを観たらもう捕らわれている、といった設定の物語は、これまでにもあるようなのだが。

この映画、評価はすごく困るところ。
ものすごい傑作のようにも思えるし、この気持ち悪さから再見する気にはならないし。
とにかく、とても嫌な気持ちになる映画であることは間違いない。
そこがこの映画のすごいところ、とも言えるのだが。

影沼のトラウマに迫る「悪夢探偵2」も作られています。