あきりんの映画生活

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「神様メール」 (2015年)

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2015年 ベルギー 115分
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマ

シュールなコメディ。 ★★★

設定からして、まず度肝を抜かれる。
ブリュッセルのアパートで家族と暮らしている貧相なおじさん。
パソコンでなにやら打ち込んでは、奥さんに暴言を吐いて俺様生活をしている貧相なおじさん。
実は、この人こそが、この全世界を創造した神様だったのだ。えっ。うっそ~。
(アパートの家賃はどうしていた? パソコンのプロバイダーはどこと契約していた? 笑)

よくもまあ、こんなことを思いついたものだ。
この設定だけでも並以上の評価だなあ。

しかもこの神様、人間的にも(?)ダメな人。人類に意地悪をして暇つぶしをしている。
たとえば神様が作ったルールは、ジャムを塗ったパンを落とすとジャムの側が下になって落ちる、レジに並ぶ列を移動したら元の列が早く進む、・・・などなど(苦笑)。

で、本題。
そんな父親の神様に反抗した10歳の娘エアは、全人類に余命を知らせてしまう。
もちろん世界は大混乱。
どんな危ないことをしたって10年間は死なないものね。こんなに健康に気をつけていたのに明日には死ぬ運命だったのか。・・・

エアは、兄であるイエス・キリストのアドバイスを受けて、6人の使徒を探す旅に出る。
このあたりは聖書には疎いものでどういった意味があるのかはよく判らなかった。
なんでもキリストは18人の使徒を集めたかったのだが、最後の晩餐の時にはまだ12人しか使徒がいなかったらしいのだ。

エアは、片腕をなくした美女や、冒険家になりたかった会社員、殺し屋に転身した元セールスマン、などなどと巡り会う。
彼らを使徒にして、彼らの人生を変えていく。

原題を直訳すると「新・新約聖書」ということらしい。
宗教心を皮肉っているのだか、新しい解釈を施そうとしているのか、そのあたりはよく判らない。
しかし非常にブラックなコメディであることは確か。
邦題やポスター写真から想像してしまうような、ほのぼのとした心温まる類いの映画ではありません。
よくもまあ、こんな映画を作ったなあ(汗)。

(余談)
神様の家と人間界は洗濯機でつながっている。
だから人間界へは、エアもその後を追いかけてきた神様もコイン・ランドリーのドラムから這い出てくる。
その映像は・・・、ありゃあ、”貞子”だ!(笑)