あきりんの映画生活

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「君の膵臓をたべたい」 (2017年)

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2017年 日本 115分
監督:月川翔
出演:浜辺美波、 北村匠海、 小栗旬、 北川景子

王道の純愛(?)もの。 ★★

この映画(それはすなわち原作小説ということでもあるのだが)が印象的なのは、やはりタイトルだろう。
タイトルにはカニバリズムを連想させる気持ち悪さを持ってきて、内容は本道の難病・悲恋もの。このギャップだろう。
私もそこに惹かれての鑑賞だった。

膵臓の重い病気で余命1年といわれた(うわべは)明るい高校生の山内桜良(浜辺美波)。
彼女の秘密を偶然に知ってしまったクラスメートの志賀春樹(北村匠海)。
そんな二人の、友だち以上、恋人未満、といった気持ちの交流を描く。
映画は、そんな二人の短かく終わった交流を、12年後の春樹(小栗旬)が振り返る、という構成になっている。

無口で人とつき合うことが苦手の春樹は、社交的でクラスの人気者の桜良の(余命1年とは思えないような)天衣無縫なふるまいに翻弄されていく。
桜良を演じる浜辺美波は初めて観たが、それほどの美少女というわけではない。
かえってそこが親しみやすくて、映画にはよく合っていた。
春樹役の北村匠海は、これはもう完全なイケメンでしょう(笑)。

僕になにくれと話しかけてくれる結構好いやつが”ガム君”。
ほんわかとした雰囲気が、深刻な物語を適度に和らげてくれた。
この俳優さんは「ちはやふる」でもコミカルな役どころで、好い味を出していた。
12年後のある役どころがこの”ガム君”だったことは、予想がついていたとはいえ、なかなかによかった。

それにしても桜良の気持ちはよくわからなかった。
”僕”のことがものすごく好きだったのだろうか。それとも好きとかいう感情ではなくて、自分が生きているために必要な解毒剤のような存在だったのだろうか。

確かに泣ける作りになっている。それは間違いない。
女性客が多かった館内はラストはあちらこちらですすり泣きの声が・・・。
私の涙腺も思わずゆるんだ(汗)。

しかし、桜良の秘密の日記を読みおわった春樹に、「もう泣いてもいいですか」といった台詞を言わせていたのは、監督、ちょっとなあ、というところだった。

(ちょっと失礼な余談)

映画の設定、それにラストも原作と違うというので、住野よるの原作を少し読んでみた。
ベストセラーの本に対して失礼な感想なのだが、文章はあまり上手いとは思えなかった。
これ、ライト・ノベルと言われる類の本?