あきりんの映画生活

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「トゥー・ラビッツ」 (2011年)

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2011年 ブラジル 102分
監督:アルフォンソ・ボヤルト

ブラジルのクライム・アクションもの。 ★★☆

この映画の監督はブラジルのタランティーノと言われているらしい。
たしかに映像はスタイリッシュで頑張っている。それに時間軸をいじっていて、複数の物語が平行していて、最後に結びついてくる。

こう書いてくると、かなり面白そうに思えるかもしれない。
たしかに面白いといえば面白いのだが、どうもそこまでのものでもない。
人物関係がややこしい。気を抜くと混乱する。
それに、後になると、実はこういう関係でした、とまた新たな人間関係になったりするので、余計にややこしい。
もうすこし親切に説明してくれ。

主人公はサンパウロで自堕落に生活しているエヂガール。
彼は交通事故で若妻とその子どもを殺してしまった過去があった。
そんな彼は、ギャングの上前をはね、同時に腐敗した政治家の悪事が明るみに出す計画を練っていた。
つまり、“二兎”を一緒に追うわけだ。

登場してくるのは悪いやつばかり。
検事のジュリアは、内部情報を弁護士の夫に流して、二人で甘い汁を吸っている。
ギャングのマイコンは腐敗政治家とも通じて悪の限りを尽くしている。
もういろいろな悪の欲望が交差している。
ちょっとまともに思えるのは、妻子をエジンガールにひき殺されてしまったヴァルテルだけか。

エヂガールが計画に使おうとしている電子部品が2つある。
ひとつは距離が近づくとセンサーが反応するもの。そしてもう一つは一定の距離が開くとセンサーが反応するもの。
なるほど、こんなものがあるのか(実際にありそう)。
これをどのように利用する?
このあたりの物語の仕掛けはなかなかよくできていた。

映画は後半になるにつれて、えっ、実はそういうことだったの?!といったことが、次々に明らかになっていく。
人間関係は実はこうだったのだし、あのときのこの場面は実はこういうことだったのだよ。
へぇ~、そうだったのか。

(以下、ネタバレ)

登場人物の人間性がよく判らなかった。
そもそも主人公のエヂガールがこの計画を立てた動機が、今ひとつ理解できない。
それに、善良そうなヴァルテル。彼はエヂガールに妻子を殺されているのに、それでも計画の仲間になる。それってどういうこと。
それにヒロイン。結局、夫も入れれば4人の男性と懇ろになっている。それってどうよ、とも言いたくなる。

スタイリッシュにしようとして、少しゴチャゴチャさせすぎたのは残念だった。
もうすこし整理していればかなり面白さが際立ったのではないだろうか。

ハリウッド・リメイクされるとのこと。
さて、どのようにアレンジしてくるか?