1995年 アメリカ 113分
監督:ウェイン・ワン
出演:ハーヴェイ・カイテル、 ウィリアム・ハート、 フォレスト・ウィッテカー
しみじみとした人生ドラマ。 ★★★★
ポール・オースターの短編小説に想を得て作られた作品。
原作は一つの逸話だけだったらしいが、映画では都会の片隅の煙草屋に集まる人々のそれぞれにドラマを与えて、短編小説をつなげたような作品となっている。
店主(ハーヴェイ・カイテル)は14年間同じ時刻に店の前の写真を撮り続けているが、映画の最後にその理由が淡々と語られる。
その店に煙草を買いに来る中年作家(ウィリアム・ハート)は、妻を交通事故でなくしている。
彼がとても格好よく、思わず着こなしに注意をはらってしまった。
その作家の家に転がり込んでくる黒人少年は、自分が幼いころに失踪した父親を捜している。
片手が義手の父親に、少年が自分の名を告げる場面は印象的だった。
父親役を名脇役のフォレスト・ウィテカーがいい味で好演している(彼はジム・ジャームッシュ監督の「ゴースト・ドッグ」では主役を演じている)。
一時的な感情の高ぶりなどはないものの、いつまでも余韻が残るような佳作。
観てよかったなあと思える作品。