あきりんの映画生活

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「アイス・ロード」 (2021年) 氷道を走る”恐怖の報酬”

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2021年 アメリカ 109分
監督:ジョナサン・ヘンズリー
出演:リーアム・ニーソン、 アンバー・ミッドサンダー、 ローレンス・フィッシュバーン

北国のトラック野郎。 ★★☆

 

「スノー・ロワイヤル」では除雪車を運転して暴れまくったリーアム・ニーソンだが、今作では氷の上のトラック野郎だぜ。
もうフォースなんかには頼らずに、プロフェッショナルの腕一本で勝負するぜ。

 

27人が生き埋めになる鉱山事故が起きた。彼らを助け出すためには、貯留しているガスを抜くための大型機械を現場に届けなければならない。
イムリミットは96時間ならぬ30時間。運ぶルートは氷結した湖のうえに設けられたアイス・ロード。氷の厚さはわずか80cm。
アイス・ロードは大型機械の重さに耐えられるのか? 氷が割れてしまうんではないか?

 

途中で輸送が失敗する可能性があるからということで、3台の大型トラックに機械を積み込んで出発する。
どれか1台でも現場にたどり着ければ生き埋めになった人を助けられるぞ。
大型トラックに乗り込むのは、1台目にチーム・リーダーのジム(ローレンス・フィッシュバーン)、2台目に先住民の女性ドライバーのタントゥ(アンバー・ミッドサンダー)と保険会社のトム、3台目にマイク(リーアム・ニーソン)と彼の弟でメカニックのガーティ。
この3台で輸送をおこなうところがミソ。上手く作っている。

 

言ってみれば北国版「恐怖の報酬」といったところ。
任務に出発するときにドライバーの3人がそれぞれ首振り人形をダッシュボードに置く。
なにかのお守りなのかと思っていたのだが、違った。
なんと人形の首の揺れ方で車体に伝わる振動、つまり氷の耐久度を監視していたのだった。
なるほどなあ。プロフェッショナルだ。

 

アイス・ロードを走るときは、車が早すぎると振動が氷に負担を与え、逆に遅すぎると車体の重さが氷にのし掛かってしまうのだという。
ただスリップしないように走ればいいのではなかったんだ。
高度なアイス・ロード用の走り方があるのだった。なるほどなあ。

 

何事につけ、プロフェッショナルの仕事ぶりというのは格好好い。
ガーディは戦争体験による後遺症で失語症となっていたのだが、メカニックとしての腕はすごい。
横倒しになった大型トラックをウインチを使って起こしたり、湖に落ちかけた車体を引き上げたり。
へえぇ、こんな風にするんだ。

 

それでも案の定、アイス・ロードは脆かった。フィッシュバーンの退場が早くて、あれ?
おまけに鉱山事故に絡む陰謀もあったり、救出作戦を妨害しようとする狙ってくる悪役があらわれたり。
もう次から次へと困難が襲いかかってくる。

 

悪役またしぶといこと、しぶといこと。
もうこれで片がついただろと思っていても、しつこくまた襲ってくる。敵ながら見上げた根性だった。

 

(ちょっとしたツッコミ)
氷の張った湖に落ちたら、心臓麻痺か何かを起こしてまず助からないのでは?
それに、救助したら、直ぐに濡れた服を脱がせてやれよ。
濡れた服のままでタオルで拭いても、体温が戻らないだろうに・・・。

 

タイトルが「アイス・ロード」なので、全編これ氷の道を走るかと思っていたら、違った。
それは前半だけだった。
後半は峠道でのトラック・チェイスがあったり、壊れかけた古い橋を制限重量いっぱいのトラックで渡ったりと、そういうハラハラj感だった。

 

リーアム・ニーソン映画に大外れはなし。安心して楽しめる。
(その代わり、雪の上だろうが、列車の中だろうが、飛行機の中だろうが、どれも似たような雰囲気になってしまう。仕方がないのかなあ・・・)
ま、難しいことは考えずにハラハラしましょ。