
2014年 92分 アメリカ
監督:ジョン・ハーツフェルド
出演:トム・ベレンジャー、 ダニー・アイエロ、 シルベスター・スタローン
群像劇。 ★★★
話題になっている1冊の自己啓発本を軸に、さまざまな人たちの人間模様を描いている。
こういった群像劇としては、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「マグノリア」があった。
あれは3時間越えの長尺ものだったが、大した熱量で見せてくれていた。
本作はその半分の長さ。どうなる?
映画冒頭で、元犯罪者で今は売れっ子ラッパーになった男が啓発本によって自分は成功したとTVで語っている。
刑務所で服役中のコレット(キーラ・セジウィック)はその番組を観て感心している。
下っ端マフィアの二人組は金を持ち逃げした男を追っていたのだが、そんな彼らの一人もその啓発本に夢中になっていた。
といった具合に登場人物の様子が順に描かれていく。
警官のウルフィー強盗を撃ち殺したことを懺悔しようとし、新人女優のエヴァはベッドシーンで相手役にレイプされてしまう。
記者のロジャーは噂の啓発本の作者、テディ(トム・べレンジャー)を見つけ出す。
出演者にはシルベスター・スタローンやダニー・トレホといった名前もあり、彼らの出番にもそれなりに期待していたのだが、ありゃあ?
スタローンはちょい役だし、ダニー・トレホなんて映画開始5分で退場してしまった。
なあんだ。
テディの啓発本とそれに感化された人たちの話が展開するのだが、彼らの関係は希薄だった。
というか、あまり深くないところで物語がつながっているために、全体の印象が薄いのだ。
これは群像劇の構成としてはかなり致命的。
日本では劇場未公開だったとのことだが、宜なるかな。
逸話としては、テディが娘の吃音を1日で治したという話を聞いたロジャーが、それなら俺に禁煙をさせてくれ、といって治療(?)を受けるのが面白かった。
海に向かって、大声で「俺はロジャー、タバコは吸わない」と叫ぶのである。
これで本当に禁煙できる?
群像劇では終わり方も重要である。
傑作だった「マグノリア」では、登場人物たちが暮らす地域で最後にある大事件が起きていた。
呆気にとられるような事件で、なんとなく納得させられてしまった。
本作の終わりは、ほっこり系?
悪くはないけれど印象の度合いは薄かったな。退屈はしなかったけれども、やはり最後まで薄かったな。