あきりんの映画生活

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「ザ・インタープリター」 (2005年)

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2005年 アメリカ 118分
監督:シドニー・ポラック
出演:ニコール・キッドマン、 ショーン・ペン

ポリティカル・サスペンス。 ★★★☆

国連を舞台にしたサスペンスもの。
実際に国連内部での撮影が許可された最初の映画ということ。ふ~ん。
シドニー・ポラック監督の遺作でもある。

ヒロインはその国連で通訳をしているシルビア(ニコール・キッドマン)。
ある日彼女は偶然に、アフリカのマトボ共和国のズワーニ大統領暗殺に関する会話を耳にしてしまう。
実は彼女はマトボ共和国生まれで現地語に堪能だったのだ。
あら、大変。
しかも彼女は会話をしていた連中に顔を知られてしまった。このままでは我が身も危ない?

ズワーニ大統領は、独立以後は超独裁的な政治をおこなっていた。
民主化運動は弾圧され、政治的理由での処刑が制限なくおこなわれ、国際的にも問題になっていたのだ。
そこで大統領は国連で自らを弁護・正当化する演説をおこなおうとしていたのだ。
まもなく大統領はアメリカへやって来るぞ。

サスペンスものなので、物語はかなり入り組んでいる。
シルビアの通報を受けた当局はとにかく万全の警護体制を敷かなくてはならない。
シークレット・サービスがシルビアの警護にも当たるのだが、担当のケビン(ショーン・ペン)はシルビア自身が何かの企みをしているのでは、と疑ったりもする。
彼女は何かを隠しているぞ・・・。彼女が抱えている秘密は何だ?

とにかくニコール・キッドマンがきれい。
彼女が一番きれいに撮れている映画ではないだろうか。
ということは、映画の内容からすれば、普通の登場人物にしてはきれいすぎるのだ。
そこがあまりにも不自然に見えてしまう。これは痛し痒しといったところ。
(しかし、彼女のきれいさで、☆ひとつおまけ 笑)。

ショーン・ペンは渋い。あらためて好い役者だと思わせてくれる。
奥さんを亡くしたばかりの傷心状態で、仕事に打ち込むことで気持ちを紛らわしている。
シルビアに疑いの目を向けながらも、彼女に惹かれていってもしまう(そりゃ、きれいだものなあ)。

ズワーニ大統領に恨みを抱いている者はどこに潜んでいる?
果たしてシルビアの聞いた大統領暗殺の陰謀は本当だったのか。
そしてその陰謀を阻止することはできたのだろうか。

シルビアとケビンの話に、恨みをはらすことに関する話が出てくる。
アフリカの慣習で、身近な人を殺された遺族は1年の喪に服した後、縛り上げた犯人を川へ
突き落とすという。
そして、そのまま犯人を溺死させて一生喪に服すか、犯人を川から助け出して赦すことによって自分も喪から脱するか、を決めるという。

(以下、ネタバレ気味)

自分の家族を殺した人物を赦すことができるかどうか・・・。

最後は気持ちのよいエンディングだった。
シルビアとケビンが妙な関係にならずに、それぞれの道を歩み始めるところが好かった。

(余談)
インタープリターはそのまま”通訳”の意。
それはいいのだけれども、片仮名表記だったら、”ザ・インタープリター”ではなく、”ジ・インタープリター”ではないのかなあ?