あきりんの映画生活

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「名探偵再登場」 (1978年)

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1978年 アメリカ 92分
監督:ロバート・ムーア
出演:ピーター・フォーク、 アン・マーグレット

探偵ものコメディ。 ★★☆

 

脚本は前作「名探偵登場」と同じ、ニール・サイモン
しかし物語は前作とは全く関係が無いので、本作のみの視聴で困ることはない。
知っておいた方がいいのは、今作もパロディ映画ですよ、ということ。

 

1939年、ナチ占領下(!)にある架空の都市サンフランシスコ。
探偵のフロイドが殺害され、相棒のペキンポー(ピーター・フォーク)に疑いがかかる。
ペキンポーは被害者の妻ジョージアと浮気していたのだ。

 

この映画、やたらに登場人物が多い。
ぼんやり観ていると誰が誰やら、この人は何の人だっけ? あの人はどういう関係だったっけ? ということになってしまう。
しかし基本的にはコメディ映画なので、何とかなる。

 

さて、殺されたフロイドに行方不明になっている自分の姪の捜索を頼んでいたという女があらわれる。
その依頼は殺人事件と関係がある?
その後、その姪についての情報を知っているという男から連絡が入る。
男との待ち合わせ店に行くと、そこにはドイツ軍のシュリッセル大佐、フランスから亡命してきたポールとマルレーヌのデュシャール夫妻、歌姫ベティ・デ・ブープなどがいた。
ね、登場人物がゴチャゴチャしてくるでしょ。

 

ピーター・フォーク演じるペキンポーは、「マルタの鷹」のサム・スペード役のパロディ。
だから、事件はやがて高価な美術品探しも絡んでくる。
そしてもちろんサム・スペード役はハンフリー・ボガードだったのだから、彼の代表作「カサブランカ」のパロディも出てくる。

 

ドイツ軍から逃げようとしている夫妻の妻マルレーヌは、イングリッド・バーグマンそっくりの衣装、身のこなし方。
ほほう、そうきたか。雰囲気はもうバーグマンそのもの。
そしてペキンポーは彼女の夫の国外逃亡の協力をマルレーヌから依頼される。
(なるほど、そのためにサンフランシスコをナチス占領下という設定にしたのだな)

 

ペキンポーはマルレーヌに、「君の瞳と「追想」に乾杯!」なんて台詞も言っている。
もちろん「君の瞳に乾杯」は「カサブランカ」の決め台詞だし、「追想」はバーグマンがアカデミー主演女優賞を獲った作品であるわけだ。

 

やがて、貴婦人や大富豪、そして老いた美術収集家と彼の若妻(アン・マーグレット)なども登場してくる。
行方不明の女性やら、行方不明の高価な美術品やらをめぐって陰謀がからみ合っている。
ね、ゴチャゴチャしてくるでしょ。

 

その合間合間のコメディタッチは笑わせてくれる。
捜索にきている警察のすぐ傍らで重要証言をくり返してみたり、推理を当てたときの報酬がどの答えでも大丈夫なようにいくつも用意されていたり・・・。

 

さてフロイド殺しの真犯人は誰だった?
前作の「名探偵登場」よりはこちらの方が楽しめた。
前作のパロディ部分はかなり捻ったものだったので、ある程度の通でないと判らないものが多かったよ。