1961年 アメリカ 99分
監督:マーティン・リット
出演:ポール・ニューマン、 シドニー・ポワチエ、 ジョアン・ウッドワード、 ルイ・アームストロング
パリ、ジャズ、そして恋。 ★★☆
舞台は花の都パリ。
アメリカ人ジャズメンのラム(ポール・ニューマン)とエディ(シドニー・ポワチエ)はセーヌ左岸のジャズ・クラブで演奏する毎日だった。
クラブはいつも満員で、野心に燃えるラムは「パリ・ブルース」という協奏曲の作曲にも情熱を注いでいた。(この曲の題が映画の原題)
ポール・ニューマンはトロンボーン、シドニー・ポワチエはサキソフォンの奏者。
実際に演奏してはいないのだろうが、演奏の雰囲気は好く出していた。
映画で使われている曲はデューク・エリントンが書いたとのこと(ただしエリントン本人は画面にはあらわれない)。
で、本格的なジャズ音楽映画となっていた。
さてその二人は、アメリカから2週間の休暇旅行にやって来たリリアン(ジョアン・ウッドワード)とマニーと知り合う。
そして二組のカップルができあがり、それぞれの美しいパリの街での恋物語が描かれる。
ニューマンがこんなジャズ映画に出ているとは知らなかったし、それよりもウッドワードのことをよく知らなかった。
ウッドワードはこの映画の3年前にはアカデミー主演女優賞を獲っている。へえ、すごいんだ。
そしてこの映画の前年には、ハリウッドの歩道に刻まれる名前入り☆に第1号として認定されている。
この映画の時にすでにニューマンとウッドワードは結婚していたのだが、俳優としては奥さんの方が格上だった?
この映画の目玉とでも言うべきゲストは、サッチモことルイ・アームストロング。
パリに演奏旅行に来た世界的なトランペット奏者という役で登場する。
サッチモはラムたちが出演しているジャズ・クラブにあらわれ、飛び入りでセッションをおこなう。
あのインパクトのある笑顔としゃがれ声で店に入ってくれば、それだけでも、おおっ!となるほどの存在感である。
さすがの大物。オーラが違っていた。
さて、二組の恋物語はどうなるのか。
リリアンはラムに、アメリカに戻ってジャズを続ければいいじゃない、と帰国を誘う。
折角作り上げた協奏曲「パリ・ブルース」を大物プロデューサーに貶されたラムは、失意もあって帰国を決断する。
一方のエディも、黒人の自分が自由に暮らせるのはアメリカではなくてパリだと言っていたのだが、そんなことに負けては駄目よとマニーに説得されて帰国を決断する。
リリアンとマニーがアメリカへ帰る日、ラムとエディの決断はどうなったのか。
ほろ苦さもたたえた大人の恋物語だった。
モノクロの映像にも情感がありました。