2022年 82分 日本
監督:竹林亮
出演:円井わん、 マキタスポーツ
タイムループもの。 ★★★
どこまでが正式タイトルなのか、よく判らない。「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」なのかもしれない。
だとすると、ずいぶんと長い(笑)。
主人公は小さな広告代理店に勤める吉川(円井わん)。
大手代理店の下請け仕事に追われ、5人の同僚たちと徹夜仕事の毎日を送っている。
月曜日の朝からプレゼンの準備に追われていたのだが、後輩の二人組から、自分たちが同じ一週間を繰り返していると告げられる。
えっ?
タイムスリップもの、あるいはタイムリープものは好きで、よく観る。
しかしアイディアはかなり出尽くされているので、これまでにない新鮮さをどこに出すかという事になる。
おそらく低予算で作られた82分の本作だが、これは好くできていた。
嘘でしょ。そんな馬鹿なことがあるわけないじゃないの。
いえいえ、もうじき鳩が窓ガラスにバーンとぶつかりますよ。
もうじき部長(マキタスポーツ)がやってきて、みんな徹夜なの?若いねえ、と言いますよ。
この映画の好かった点は、繰り返される1週間の出来事がいかにもありそうで、それでいてちゃんと変化に富んでいたこと。
ある日、吉川は原稿を届けに行く途中で交通事故にあい、額に大きな絆創膏を貼る。
しかし、月曜日の朝になると吉川は怪我ひとつしていない日に戻っている、というわけだ。
タイムループもので直ぐに思い出すのはビル・マーレイの「恋はデジャブ」、トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」。
本作はオフィスのなかだけで物語が進行し、タイムループなので同じ場面がいくどとなく映される。
しかし、よく工夫されていて飽きることはないし、チープさもない。
さあ、同じ1週間が繰り返されることに気づいた吉川らは、このループから抜けだそうとする。
このループの原因は何だ?
どうも部長がしている腕輪がいけないんじゃないかと思いますよ。あれ、部長が歳をとりたくないと言ってはめているんですよ。
じゃ、部長にあの腕輪を壊させなければならないのね。
自分たちがタイムループの輪のなかにいることを他の人にも気づかせて、何とか部長の説得にこぎつけようとする吉川たち。
終盤になると、この現象の真の理由が判明し、全員でその脱出手段に頑張っていく。
個人的には、この解決策は上手くまとめすぎた気がした。もっと崩れたままでよかったのに・・・。
全体的にほどよいコメディタッチもあって、最後まで気持ちよく観ることができた。
最後にだめ押しの、バーン! が出てきます。これにはやられたよ。