あきりんの映画生活

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「硝子の塔」 (1993年) マンション全室のぞき見

1993年製作/アメリカ 108分
監督:フィリップ・ノイス
出演:シャロン・ストーン、 ウィリアム・ボールドウィン、 トム・ベレンジャー

エロティック・サスペンス。 ★★★

 

冒頭で、超高層マンションの20階のベランダからナオミ(シャロン・ストーンの二役)が誰かに突き落とされる。
そして雑誌編集者のカーリー(シャロン・ストーン)がその超高層マンションに引っ越してくる。
エントランスで話しかけてきた老教授は、不審死を遂げたナオミは貴女によく似ていたと告げてくる。

 

これがサスペンスの始まり。
物語はすべてこの高層マンションの中だけで展開していく。邦題はなかなか上手く付けたと思う。

 

さて。入居早々にカーリーは2人の住人から言い寄られる。
そりゃきれいで、どこか背徳的な雰囲気も漂わせているものね。男がほおってはおかないわけだ。

 

ひとりはゲームデザイナーで、実はマンションのオーナーでもあるジーク(ウィリアム・ボールドウィン)。
いかにも口の上手い女たらしといった優男風情。
まだ細身で、これが後には貫禄十分のボールドウィンになるのかと信じられないぐらいだが、にやけた表情は確かに一緒だった(汗)。
あっという間にカーリーとジークは好い仲になっていく。

 

もう一人は人気作家のジャック(トム・ベレンジャー)。
ごりごりに押してくる自信過剰家で、もう図々しいたらありゃしないというほど。
俺のこと、好きなんだろという感じでストーカーまがいのことをしてくる。
この人がジャングルで正確無比な狙撃をしていた禁欲的な人とは、到底思えない(「山猫は眠らない」の第1作は同年の作品)。

 

もちろんベッドシーンもふんだんにあるのだが、一番扇情的だったのはカーリーとジークのレストランでの場面。
いちゃいちゃとした会話を楽しんでいた二人なのだが、ジークがプレゼントした下着を履いているか見せて欲しいと言いはじめる。
ここで? うん、ここでだ。

 

そこでカーリーは足を組んで中をのぞき見させるのだが、ジークはよく見えないと文句を言う。
ついには彼女はこっそり黒いパンティを脱いで丸めて彼に手渡すのだ。
これって、絶対に「氷の微笑」(前年の作品だった)のあの場面を意識しているよなあ。

 

マンションでは次々に不可解な状況で人が死んでいく。
これ、誰の仕業?
といっても、映画を観ている人には、ジークかジャックのどちらかという二択しかない訳だが・・・(苦笑)。

 

(以下、ネタバレ)

 

まあ、この映画、簡単に言ってしまえば、マンションの部屋に監視カメラを設置して他人の生活を盗み見ている変態ビルオーナーと、人の部屋に勝手に入るようなストーカー男、その二人に翻弄される美女一人、といったところ。
そしてカーリーもジークと一緒になって監視カメラの映像にのめり込むのだから、なにをか言わんや・・・。

 

結局、ナオミの殺人犯は明らかになったわけだけれど、階段で襲った犯人は誰だったの?
何か見落としたかな?

 

ということで、物語はぐだぐだで登場人物にも共感できる者は(カーリーを含めて)一人もいなかった。
しかし、シャロン・ストーンのエロさ全開で☆ひとつプラス。