あきりんの映画生活

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2012 (2009年)

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2009年 アメリカ 158分
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジョン・キューザック、 アマンダ・ビート

地球滅亡の日を描く。 ★★★

マヤ文明の言い伝えにある2012年12月21日の地球滅亡を、とにかくすさまじい映像で映し出す。この一言がこの映画のすべてである。

理屈としては、太陽フレアーの異常活発化によってニュートリノが大量に発生して、これが地球の地底温度を上昇させた結果、世界中で火山の爆発、大地震など地核の大変動が起こるというもの。
だから、地上ではどこにも逃げ場はない。さあ、どうなる?

エメリッヒ監督がどれほど狂信的に映像を作ったかと言うことはよくわかる。
主人公達が必死に車でにげていく街中が次々に崩壊していく場面は、とにかくすごい、の一言。
さらに、飛行機で空へ逃げ出してから街が崩壊していく様を俯瞰する場面も、もっとすごい。これほどの映像は初めて観た。

この手の映画の常として、生き延びる人と生き延びられない人が出てくる。
主人公とその家族は、もちろんさまざまな困難を乗りこえて生き延びる、多数の犠牲者を目の前にしながら。そのあたりが、いつもどうかなあと思ってしまう部分。
お金にものを言わせる悪い人、自己犠牲をする良い人、なども、いつもどおりの紋切り型の描き方。こんな風にしか描けんのかい?

主人公達も「ポセイドン・アドベンチャー」を思わせるような冒険をしてなんとか生き延びようとする。
物語が急に人間の常識的な感情に訴えるような調子になってしまう。音楽までもが不必要に情緒的なメロディとなる。

惜しい。惜しいぞ。
中途半端に家族愛なんぞ出してくるので、中盤から後半にかけてだれてしまった。前半のあの破壊のすさまじさで最後まで押し通して欲しかったぞ。
人類がみんな滅亡してしまう映画があったって良いじゃないか。ジョン・キューザックも、最後には家族と一緒に大津波にのまれても良いではないか。
なに、それじゃ映画がヒットしない? そうかなあ。

大画面、大音響で観るべき映画です。
そうすれば、ストーリーの陳腐さはともかくとして、画面の素晴らしさで払ったお金分のもとは取れます。