1992年 アメリカ 128分
監督:ポール・バーホーベン
出演:マイケル・ダグラス、 シャロン・ストーン、 ジーン・トリプルホーン
セクシャル・サスペンス。 ★★★
サンフランシスコ市警のニック(マイケル・ダグラス)は、情事の最中にロック歌手が惨殺された事件を担当する。
被害者の恋人のキャサリン(シャロン・ストーン)はミステリー作家で、今回の事件と同じ状況の小説を書いていた。いかにも怪しい。
しかし、警察に容疑者だと目星をつけられたキャサリンは、尋問を受ける場面でも挑発的で、堂々としている。
下着を着けていないミニスカート姿のシャロン・ストーンが、足を組み替えるシーンばかりが騒がれたが、決してそれだけではない映画であった。
新たな殺人事件も起こり、調べを続けていくうちに、関係者たちの意外な過去の事実が明るみに出てくる。
それにつれて、この人は味方だよねえ、まさかそんなはずはないよねえ、と思っていた人が、ひょっとしたらという疑いに変わっていく。
それにつれて、キャサリンは本当は悪女なだけで、殺人犯人ではないかのかもしれないと思えてくる。
しかし、それも全部キャサリンが仕掛けた罠なのかもしれない。そんな二重の疑いが生じてくるところが、巧みであった。
キャサリンとは対照的な女性として、理性的なベス(ジーン・トリプルホーン)を登場させたところがこの作品を面白くしている。
しかも、優等生的なベスにも過去の秘密があり、それが次第に明らかになっていくところが物語を盛り上げていた。
犯人か否かは別にしても、男を手玉にとって翻弄するキャサリンには、悪女という言葉がぴったりする。
しかし、ニックではないが、危険だとわかっていても悪女に魅せられてしまう悲しい性を、男は誰でも持っているのだなあ(笑)。
マイケル・ダグラスは、「危険な情事」でもそうだったが、こうした悪女に振りまわされる役柄が似合う。
(ちょっと余談)
この映画で輝きまくったシャロン・ストーンは、あまりにこの映画がはまり役だったばかりに、これを越える作品に出られなかったことが不幸とも言える。
そういう意味では、「タイタニック」の大ヒットのあとに、もう多額の制作費用をかけるような大作には出ませんといって、見事にあのイメージを払拭して、その後も活躍しているケイト・ウインスレットは立派だな。
(ネタバレ)
この映画が物議をかもし出したのは、数々の遺留された証拠から真犯人が判明したあとの、ラストシーンで映し出されるある物の映像であろう。
あれがここで映る意味とは? そうすると、実は?
初めて見たときは、それこそ、えっ!と思ったものだった。果たして真犯人は誰だったのだ?