あきりんの映画生活

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「ジャンパー」 (2008年)

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2008年 アメリカ 88分
監督:ダグ・リーマン
出演:ヘイデン・クリステンセン、 ジェイミー・ベル、 サミュエル・L・ジャクソン

瞬間移動能力者の戦い。 ★

高校生のデビッド(ヘイデン・クリステンセン)は、ひょんなことから自分にテレポートの能力があることを知る。好き勝手にその能力を使うデビッドを、テレポート能力を持つものを抹殺しようとする組織”パラディン”が狙い始める。

ピラミッドをはるか下に跳び越えている若者のポスター惹かれて、映画を観る。
ドラえもんの”どこでもドア”と同じ発想なわけだし、これはきっとわくわくするような展開があるに違いない、と。
しかし、期待は見事に裏切られた。

テレポート能力を持った者(映画では”ジャンパー”と呼ばれる)が考えることは(ドラえもんのび太を除いて)みんな同じで、銀行の金庫に瞬間移動するわな。
そしてお金を持って帰ってくるわな(笑)。

この映画に入り込めなかった大きな原因が、そんな風に主人公が自分勝手なところ。
大体が不良高校生の域を出ていなくて、超能力を自分の欲望のためにしか使っていない。
お金を盗むわ、恋人に受けようとして世界遺産に無断侵入するわ、昔のいじめの復讐をするわ。
超能力者にしてはセコいぞ。

あんた、何様になったつもりなんだと言いたくなる。
スパイダーマンではないけれども、少しは自分の能力を社会のために生かせよ、と言いたくなる。映画なんだからさ。

ジャンパーを抹殺しようとする組織が”パラディン”。
ジャンプに関してはいくつかのルールがあり、身体が動かないもの、たとえば壁とか木とか、そんなものに固定されているときはジャンプできないとか、あるいは、ジャンプしたあとにはわずかな時間だけ間隙が空いている、とかの設定がなされている。
それを利用して、パラディンは鎖が飛び出る銃で捕獲しようとするわけだ。

パラディンとの確執が上手く伝わってこないのも、作品に深みが感じられない原因となっている。
それに、主人公がさっきのように小悪党みたいなものだから、パラディンの言い分にももっともな部分もあるぞと思えてしまう。
脚本がまずいんだろうなあ。

”英雄ではない超能力主人公”の物語を作りたかったのかもしれない。
でもそのためには、英雄ではなくても惹きつけるような主人公のキャラクターを作る必要がある。
正義の味方のアクション英雄を作るより、そのほうがよほど難しいことだろうな。