あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「サヨナライツカ」 (2009年)

イメージ 1

2009年 韓国
監督:イ・ジェハン
出演:中山美穂、 西島秀俊、 石田ゆり子

大人の恋物語。 ★★★

なんとも甘い、甘すぎるようなラブ・ストーリーである。
バンコクに赴任してきたビジネスマンの豊(西島秀俊)は、豪華で気ままな生活をしている沓子(中山美穂)と出会う。
豊には日本に残してきた婚約者・光子(石田ゆり子)がいたのだが、沓子の奔放な誘惑に負けてしまう。

沓子が長期滞在しているオリエンタル・ホテルというのは、実在するホテルで、世界的にも評価の高い高級ホテルとのこと。
そんな場所を舞台にすることによって、日本でだったらそれぞれに絡みつくようなしがらみを捨てての男女関係が展開される。

この作品が甘いだけで終わらなかったのは、遊びのつもりで豊を誘惑した沓子の気持ちが真剣になってしまうところ。
そして、自分を捨てて日本へ帰国していった豊を、沓子がなんとバンコクで一途に25年も待ち続けていたこと。

この25年後からの物語をつなげたところが好かった。
展開としてはベタだし、演技も予想されたとおりのものではあったが、こういう華やかな過去の回想を挿入してみせられると、やられてしまうんだなあ。
かっての若かった日々の情熱的な恋心と、老いを迎えた今になっても残っている深い思慕の気持ちが対比されて、じーんとしてくる。
(それにしても、中山美穂にしても西島秀俊にしても、25年後の老け顔には無理があったが・・・。)

気の毒なのは主役の二人の引き立て役になっている豊の奥さん。
それでも、妻という名前の女って、強いんだよねえ。

原作は「冷静と情熱のあいだ」の辻仁成
ああ、そうか、中山美穂は彼の奥さんだった。
客観的な完成度としてはそれほど高いものではないと思えるが、個人的には惹かれた作品だった。