2010年 アメリカ 120分
監督:スティブン・アンティン
出演:クリスティーナ・アギレラ、 シェール、 カム・ジガンディ、 スタンリー・トゥッチ
ショーの世界を描くミュージカル。 ★★★☆
とにかくクリスティーナ・アギレラの圧倒的な歌唱力が最大の見物。
それにセクシーな衣装での(といっても、全くいやらしくはない)歯切れのよい群舞。
ストーリーは、田舎から出てきた女の子が、ショー・ビジネスの舞台で才能を開花させてゆくというもの。
ライバルの意地悪や、お店の経営不振や、友情から発展していく恋心や、この手の話ではよくあるパターンではある。
王道というか、マンネリというか。
しかし、この映画の見せ所は歌と踊りなので、ストーリーはこれぐらいのきっちりさ、単純明確さで、ちょうど良いのかもしれない。
舞台の電気関係の不調で、それまでみんなは口パクをしながら踊っていたのにCDが流せない。
そんなときにアギレラが不意に地声で歌い始める。
その声量たるや並みではない。歌の迫力、並みではない。判りすぎる展開なのに、それでも、感動。
アギレラのこれまでのミュージック・ビデオ・クリップをみると、かなり濃いメークで弾けている感じだった。
しかし、この映画で観る彼女は、意外に思うほど清楚。
あれ、素顔は可愛いんだ。
それがひとたび歌い始めると、とたんに妖艶な迫力満点となる。
すごい才能だな。
シェールが「バーレスクへようこそ」をうたっていたが、好い歌だった。
「プラダを着た悪魔」でも名脇役だったスタンリー・トゥッチ。この映画でもゲイの役どころで、美味しいところをさらっていく。なんていい味を出す役者なのだろう。
ミュージカルは基本的に苦手なのだが、この映画は充分に楽しむことができた。
それもこれもアギレラの歌と踊りに魅せられたから。