あきりんの映画生活

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「墨攻」 (2006年)

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2006年 中国 133分
監督:ジェイコブ・チャン
出演:アンディ・ラウ、 ファン・ビンビン

中国戦乱もの。 ★★★

中国の戦乱ものとしては、三国志や、その前の項羽と劉邦の時代が有名。
この映画は秦の始皇帝のもう少し前の、紀元前370年頃の戦国時代の物語。

そのころ、攻撃をせずに守り抜く“非攻”を信念とする“墨家”という思想集団がいた。
大国・趙の10万の大軍を前にした小国の梁城は、落城を寸前に墨家に援軍を求めていた。
そして墨家からやってきたのは粗末な身なりの革離(アンディ・ラウ)と名乗る一人の男だった。
梁城の兵力は4000人。どうやって城を守り抜く?

原作は酒見賢一の同名短編小説。
私が読んだのは、それを森秀樹が描いた同名の長編漫画。これは面白かった。
漫画での革離はどちらかといえば冴えない風貌だったが、映画ではアンディ・ラウ。格好良すぎ?(笑)

革離は、敵の攻城に1ヵ月耐えれば撤退するはずと分析する。
そして梁王から兵に関する全権を与えられ、城を守るための秘策を講じ、備えを万全にする。
革離の作戦で敵の猛攻にも耐えるうちに、革離は梁城の兵士や民衆の信頼を集めるようになっていく。

王を守る騎兵隊隊長の逸悦にファン・ビンビン
しばらく前に「楊貴妃」でその美しさには感心したのだが、この映画でもやはり美しい。
しかも革離に思いを寄せるようになった逸悦は、自分から革離の気を惹こうとする。
でも、堅物の革離は、私の愛は皆のもので一人だけ愛することはしない、とか何とか言っちゃって冷たくあしらうのだ。
おいおい、ファン・ビンビンが言い寄ってきているのだぞ。勿体ない!(苦笑)

(ちなみに、ポスターはファン・ビンビンが映っているものを選びました 笑)

さて、肝心の戦いの方は迫力満点。
石垣の上から大石を落としたり、火を放ったりと、見せ場も多い。
そして10万の大軍を撤退させることに成功する。
おお、革離よ、やるじゃないか。王の息子などもう革離の信者だぞ。

さあ、ここで小人物だったのが、革離に助けてもらった梁城の王様。
あまりにも革離の人望が厚くなってしまったものだから、今度は革離に城を乗っとられるのではないかと疑心暗鬼になる。
心の狭い小物は嫌だねえ。

(以下、結末まで触れています)

ということで、王によって革離は追放され、革離を支持した者たちも殺されてしまう。
そして、あの逸悦も革離に肩入れしたと罪に問われ、喉を焼かれ、股裂きの刑に処せられようとする。
中国ってなんて野蛮なんだ。あんな美女を股裂きにしようと思うか、普通?

そして、革離がいなくなった途端に敵が奇襲をかけてきて、あっさりと城は落ちてしまう。
王よ、馬っ鹿じゃねえの。
革離の頑張りはいったい何だったのだ。

最後、戦乱の中の子どもたちを連れて革離は去っていく。
なんとも爽快感とは真逆のエンディングであった。
この後、中国は秦の始皇帝によって統一され、墨家も絶えたとのこと。