あきりんの映画生活

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「アド・アストラ」 (2019年)

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2019年 アメリカ 123分
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ブラッド・ピット、 トミー・リー・ジョーンズ

親子関係を描いた地味なSFドラマ。 ★★☆

 

冒頭にすごい映像がある。
超高空でのアンテナ作業をしていた主人公ロイ(ブラッド・ピット)がサージという磁気嵐のような現象のあおりを受けて空間に放り出されてしまう。
そこからものすごい速さで落下していく。遙かかなたに地表が見えている。
私は高所恐怖症だが、ここまでの超高所となると恐怖症の域を超えてしまっている(笑)。

 

しかし、そこから先の物語はかなり地味なものだった。
映画の引き文句は、「(行方不明になっていた父を)必ず見つけ出す」。
こうくれば、あのノーラン監督の「インターステラー」の子供からの視点バージョンか、と思ってしまう。
しかし、違った。父息子の再開はあまり感動的ではなかった(汗)。

 

ロイの父親のクリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)は地球外知的生命体の探求に出かけ、16年後に行方不明になっていた。
しかし、その父が生きている可能性があるとロイは知らされる。
しかも、父の行為が人類を滅ぼしかねないサージを引き起こしているという。
父を捜し出して連れ帰らなくては・・・。

 

こうしてロイは月へ出かけ、そこから火星の基地へ向かい、さらに海王星を目指す。
タイトルはラテン語で、直訳すると”星々の方へ”という意味とのこと。

 

もうこれ以上はあらすじには触れないが、ツッコミをいくつか。
火星でだったか、ロイたちが荒涼とした地を移動していて強盗に襲われる場面がある。
とってつけた様なアクション場面だったが、あれ、必要だった?

 

遭難していた宇宙船を助けにロイたちが寄る場面があった。
その宇宙船の中では狂暴化したゴリラ(!)が暴れていた。宇宙船船長も殺害されてしまう。
しかし、あの逸話、必要だった?

 

打ち上げ発射寸前になってロイが密航するために宇宙船に乗り込む場面があった。
もうエンジンには点火されて轟々と炎が噴き出している。
あんな状況で乗り込むか? 一歩間違えればロイ自身は一瞬で焼けただれるし、防御扉を閉めるのが少しでも遅れれば宇宙船の内部は焼き尽くされてしまう。
そんな他人までも危険にさらすような行為を主人公がしてもいいのか?

 

宇宙空間に漂い出て、周回軌道に乗っているのであろう宇宙船にロイが戻る場面があった。
しかし、あんなに容易に宇宙船にたどり着けるのか?
宇宙空間で方角を1度でも誤れば、永遠に離れて行ってしまうぞ。

 

映像は素晴らしかったし、ブラピの演技もよかった。
それなのに作品自体の出来が良くないのは(汗)、脚本が悪かったのか。
この脚本で監督はよく映画化したなあ。
あ、脚本も監督自身か・・・(笑)。

 

せっかく再開した父親もなんかもう一つの人物像だったなあ。
地球に戻ってきたロイは、いったい何のために”星々の方へ”行ってきたのだ…。
どこまでもすっきりとしない物語でした。