2016年 アメリカ 116分
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ジェニファー・ローレンス、 クリス・プラット 、ローレンス・フィッシュバーン
SFサバイバルもの。 ★★★
遠い星を目指して飛びつづける宇宙船の中での恋物語。
人生に何を求めればいいのか、といった哲学的なことまで考えさせてくれるものだった。
(ちょっと、言い過ぎ?)
5000人の乗客を乗せた最新鋭の宇宙船が遠い移住地に向かって航行していた。
目的地に到着するのは120年後。
乗客たちはみな冬眠装置の中で安全に眠り続けている、はずだった。
ところが、エンジニアのジム(クリス・ブラット)だけが冬眠ポッドのトラブルで90年も早く目覚めてしまった。
おいおい、これは絶望的な状況ではないか。
俺の人生はこの誰もいない宇宙船の中で終わるのか・・・。
これから死ぬまで、俺はひとりぼっちなのか・・・。
1年間はその環境に耐えたジムだったが、結局はポッドの中に見そめたオーロラ(ジェニファー・ローレンス)の冬眠装置を切って、彼女を目覚めさせてしまう。
しかも、それは機械トラブルのせいだと思わせて。
おいおい。そんなことをしてもいいのかよ。
そりゃジムの気持ちもわからなくはない。
しかし、オーロラにしてみたら、堪ったものではないぞ。
ジムのした行為は、一人の人間の自由な人生を奪って、宇宙船という”牢獄”に一生を閉じこめることではないか。
倫理的には容認できるものではないぞ。
そんなことを知らないオーロラは、二人しかいない宇宙船の中の人生を容認するしかない。
ジムとも恋人関係になっていく。
いいのかジム、そんな騙し続ける関係の上で成り立っている恋でも・・・?
やがて、正直者のアンドロイドのひと言で、自分が目覚めてしまった本当の原因を知ってしまったオーロラ。
当然のこととして怒り狂う。
そんなひとりぼっちが寂しい、仲間がほしい、なんていう自分勝手なことで、私の一生を台無しにしてまで付き合わせるなんて!
(以下、後半のネタバレ)
関係が毀れた二人の前には、二人が力を合わせなければ乗り越えられない困難な状況が訪れる。
これ、恋愛もののお定まりパターン(笑)。
都合良くクルーの一人(ローレンス・フィッシュバーン)も目覚めてくれる。
彼は二人が困難を乗り切るためのアドバイスをして、潔く散っていく。
おお、格好いいけれど、なんだか捨て駒のような役どころだったな(苦笑)。
ここからはSF宇宙ものらしいパニック的展開となる。
さあ、二人で頑張るんだ!
そして、最後、二人はどうするのかと思いながら観ていた。
それから90年が経ち、冬眠していたクルーたちが目覚める。
彼らが目にしたものは・・・。
宇宙ではどんな状況に陥っても決してあきらめない不屈の意志がいるのだということを思い知らされる。
(「オデッセイ」でもそうだったし、「ゼロ・グラビティ」でもそうだった)
根性なしの私には宇宙は無理だ。断言。