2017年 中国 128分
監督:ゴードン・チャン
出演:チウ・マンチェク、 倉田保昭
歴史アクション物。 ★★☆
16世紀、明王朝時代が舞台。
日本の海賊の倭寇が中国沿岸を荒らしていて、明はなんとかこれを討伐したいとしていた。
しかし倭寇は難攻不落の砦に立てこもり、びくともしない。
倭寇は海賊であるわけだが、実は日本の松前藩と裏でつながっていたという設定。
日本がもっと悪者として描かれているかとも思ったのだが、それほどでもなかった。
むしろ倭寇を指揮している倉田保昭はかなりの人物として描かれていた。
ここで登場してくるのが知略、人望、そして武術に長けた威継光(チウ・マンチェク)
見事に倭寇の砦を制圧する。
しかし倭寇もしぶとい。なんとその軍勢は2万人なのだよ。
当時の明軍が使う武器が珍しい。解説で調べてみると、
三眼銃というのは石火矢を3つ束ねたもの。破壊力はあるのだが、一度発泡すると装填には時間がかかったらしい。「もののけ姫」にも登場したとのこと。
狼尖というのは枝葉の付いたままの竹に刃先をいくつも取りつけたもの。振り回して多数の敵を相手にしたらしい。
虎蹲砲というのは100発ぐらいの弾をまき散らす散弾銃のこと。これは威力がありそう。
合戦の場面も迫力のあるものとなっていた。
衣装デザインは、なんと、あのアカデミー賞も取っているワダ・エミ。
撮影や音楽にも日本人スタッフが参加している。
思っていた以上にていねいに作られていた。
適度のユーモアも入っており、英雄である威継光が恐妻家というところが面白い。
この奥さんが可愛い女優さんで、他人の前では夫に厳しくしながら、二人きりになると甘えまくる。
ツンデレそのもので可愛い。
もちろん、その男勝りの性格も持つ奥さんがクライマックスではちゃんと活躍する。
さて、倭寇は軍勢を分けてその一隊で威継光の家族が住む街を襲う。
明軍にその救出に向かわせてそのすき首都を攻めようという策略。
しかし妻を始めとした街の自衛部隊を信じて、威継光は倭寇の主力部隊との決戦に臨む。
それにしても、倭寇が2万人もいて、迎え撃つ明軍が3000人というのは、ちょっと・・・。
日本では未公開ということだったが、これだけの出来の映画がどうして・・・?
日本人出演者の中にどうも問題を起こした俳優がいたようだ。そのせい?
もったいないなあ。