あきりんの映画生活

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「フォードvsフェラーリ」 (2019年)

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2019年 アメリカ 153分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:クリスチャン・ベール、 マット・デイモン

ル・マン耐久レースもの。 ★★★

 

これは男の映画だった。
車好きの人にはたまらない映画だろうが、私のようにそれほどカー・レースに興味のない者でも十分に興奮して観ることができた。
主人公たちは実在の人物とのこと。
(ちなみに私はスバリストで、3台のレガシー・ツーリング・ワゴンに2年間乗った後、今はレヴォーグに乗っている。)

 

舞台は1960年代後半で、フェラーリル・マン24時間レースでは圧倒的な強さを示していた。
そんな中で、アメリカ最大の自動車メーカーのフォード社が、ル・マンでのフェラーリ打倒を目標に掲げる。

 

それにいたるいきさつも、子供じみた男(社長)の意地の張り合いから。
男の夢は、単純な子供じみたわがままから始まるものなのだな。男は永遠の子どもなのだな。実はフォードはフェラーリを買収しようとしたのだが、体よくあしらわれ、おまけに馬鹿にされたのだ。
おのれ、フェラーリを見返してやるぞっ!

 

その依頼を受けたのがキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。
トップ・レーサーだった彼は心臓病のために引退して、スポーツカーの製造会社をやっていた。
そしてシェルビーが目をつけたのがすご腕レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)。
もう、車に対して純粋としか言いようがないくらいな超真面目人物。
真面目すぎて、周りの誰とも妥協しないちょっと困った人物。

 

シェルビーとマイルズはル・マンで勝つための新しいレーシングカーを開発しようとする。
このあたりのプロフェッショナルならではの取り組みは熱い。
夢に向かって突き進む男たちは格好いい。
ケン・マイルズの夫婦愛や、親子愛も描かれていた。

 

面白かったのはマイルズの奥さん。
シェルビーとマイルズがちょっとした行き違いからとっくみあいの喧嘩を始める。
それを見た奥さんは二人を止めるどころか、椅子を持ち出して見物し始める。
二人の友情の深さを知っていればこその行動だった。

 

二人の夢に向かっての邁進なのだが、こういうドラマには悪役も必要。
マイルズの自由闊達ぶりを快く思わないフォード社の副社長が邪魔をしてくる。
マイルズをル・マンのメンバーから外すのだ。
なにくそ、負けるものか。
そう、これは理不尽な邪魔に打ち勝って、最後にギャフンと言わせる池井戸潤のドラマと同じなのだ(笑)。

 

メンバーから外されたマイルズだが、ちゃんと自分が見つけたレーシング・カーの改良すべき点を告げる。
う~ん、格好いい。
そして二人は他の国際レースで優勝して実力を示し、ル・マンのメンバーに復帰する。

 

そしてついに1966年のル・マン24時間耐久レースが始まる。
レースはCGを使わずに撮影したとのことだが、なるほどとそれを納得させるだけの迫力があった。

 

シェルビーはちゃっかりとしたところもある。
レースに勝つために、フェラーリの計測時計をくすねてみたり、ネジを何気なく落としてフェラーリ陣営の動揺を誘ってみたり。

 

最後の最後に、あの悪役副社長がまたちょっかいを出してくる。
その時にマイルズが取った行動は・・・。
少し釈然としないところもあったが、レースには圧勝したわけだから自分の中ではふっきれたものがあったのだろう。

 

男の夢と友情と家族愛が描かれた好い映画でした。
とにかくクリスチャン・ベールが好かった。このところ彼は大活躍だな。