あきりんの映画生活

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「エル・シド」(1961年)

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1961年 アメリカ 184分
監督:アンソニー・マン
出演:チャールトン・ヘストン、 ソフィア・ローレン

スペインの救国の英雄。 ★★★

 

紀元1080年前後の史実を参考にしているとのこと。
CGのなかった1960年代なので、すべてのシーンが実際のもので撮られている。
とにかく戦争場面の圧倒的な人海戦術には圧倒される。
この時代の史実映画というと「クレオパトラ」なども思い浮かべるが、こんな撮り方の映画はもう作れないだろうな。

 

スペインの武将であるロドリゴチャールトン・ヘストン)は、戦闘で捕らえたムーア人の王を釈放する。
ムーア人の王はこの恩は忘れないと、ロドリゴエル・シドの称号を贈る。
しかし、敵を勝手に赦したということでロドリゴスペイン王などから非難を受ける。

 

これがすべての始まり。
そうなのだ、ロドリゴは人の命を大切にして自分の信念を絶対に曲げない人物なのだ。
対峙する相手が、愛する女性の父親だろうが国王だろうがお構いなし。
どんなに自分が不利な立場に立たされようが、信念を貫き通すのだ。
お前は半沢直樹か(笑)。

 

そのエル・シドを愛し続ける妻シメンにソフィア・ローレン
大きな目、大きな口、まあ、華がある。彼女が出ていると映画が引き立つ。
実はロドリゴはシメンの父を決闘で殺している。
父の仇であるロドリゴを憎みながらも愛している。このあたりは物語の陰翳を深めていた。

 

そのうちにロドリゴは王位継承争いにも巻き込まれていく。
兄を謀殺して王位に就いたアルフォンソは、その秘密を知るロドリゴを追放する。
あとを追ってきたシメンと共に、これからは二人だけでひっそりと暮らそうとするのだが・・・。

 

しかし、英雄にはそんなことは許されないのである。
彼の回りにはあっという間に兵士が集まってくるのである。
ロドリゴエル・シドとなって一大軍勢を率いることになるのである。
う~ん、英雄は回りが放ってはおかないのだな。

 

ついにイスラムの王ユサフはスペインに侵攻してくる。
アルフォンソ王はエル・シドを自分の配下に置こうとして、シメンと愛娘2人を(いつのまにか二人の間には双子も生まれて可愛く育っていたのだよ 笑)人質として幽閉してしまう。
しかしエル・シドはそれでも屈しない。私はスペイン人民のために戦うのだっ!

 

バレンシアの城を手にしたエル・シドは、その地の王になってくれと懇願する人々がいるにもかかわらず、その王位をアルフォンソ王に渡す。
なに、エル・シドが儂に王位をくれるというのか。家族を人質に取った儂にか。
そうなのだ、エル・シドは歯がゆいくらいにどこまでも信義も大切にする男だったのだ。
やられたらやり返す、倍返しだっ!とは叫ばないのである(汗)。

 

バレンシアを攻めてきたユサフとの戦い。
その戦闘でエル・シドは敵の矢を受け、その夜ついに死んでしまう。
翌朝、死してなお馬にまたがり敵に向かっていくエル・シドの姿にユサフ軍は総崩れとなっていく。
あれはすでに亡くなった彼の魂が馬を走らせていたのだろうな。

 

3時間越えの大作。
しかし脚本はやや破綻を来している部分もある。
あれ、いつの間にこんな状況に変わったのだ? いったい何年間をとばしたのだ? という場面もあった(汗)。

 

ということで、同じチャールトン・ヘストン主演の「十戒」や「ベン・ハー」と比べると少し見劣りがします。
でも、もう二度とは作れない種類の、一度は観ておいてよい大作映画です。