2019年 日本 120分
監督:岩井俊二
出演:広瀬すず、 松たか子、 福山雅治、 神木隆之介
ベタな恋愛もの。 ★★
岩井監督は「「Love Letter」が甘酸っぱい感じのよい作品だったので、そのあたりの期待を持って鑑賞。
しかし今作はもうひとつだった。残念。
亡くなった姉・未咲に届いた同窓会の案内。
成り行きで姉のフリをしてしまった妹の裕里(松たか子)は、その席で高校時代に片思いをしていた乙坂鏡史郎(福山雅治)と再会する。
その鏡史郎は、高校時代には姉の美咲(広瀬すず)に恋をしていたのだった。
今回も「手紙」が物語の大きな軸を担っている。
そこから現在と過去が淡く交差し始めるという枠組みは、「Love Letter」と同じ。
しかしあまりにも甘すぎた。
人違いされたままに、かっての満たされなかった日を埋めるように姉のフリをして手紙を書く裕里。
そのフリに騙されたフリをして返事を書く鏡史郎。
そして母のフリをして手紙を書く美咲の娘の鮎美(広瀬すずの二役)。
きれいな物語を作ろうとして、まったく深みがなかった。
好かったのは、脇役ながらその無頼ぶりが迫力のあった豊川悦治。
彼は美咲と結婚して二人の子供をもうけながらも彼女を不幸にしてしまったのだ。
出番はわずかしかないのに、福山雅治と対峙する場面では遥かに彼を喰っていた。
(ツッコミ)
手紙の文字を見たら、その筆跡で鮎美が書いた手紙はすぐにバレただろうに・・・。
最後の娘に宛てた遺書が、高校の卒業生代表で読んだ答辞だったというのも、なんだかなあ。
ということで、心動かされることもなく、醒めた目で観てしまった映画だった。