2020年 アメリカ 119分
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー、 モリーナ・バッカリン
厄災の日にどうする? ★★☆
突如地球に近づいてきた無数の彗星が、あっ、地球に落下してくるようになったぞ。
そして次々に落下した隕石で都市が壊滅していく。
ついに地球全体が崩壊する規模の彗星落下が予告される。
残された時間は48時間だけ・・・。
すると、不意に政府からの緊急告知が国民になされる。
次に指名するものたちは指定の空軍基地へ速やかに赴くこと。携帯できるのは鞄1個のみである。
実は、アメリカ政府は強固なシェルターに限られた人だけを避難させようとしていたのだ。
それは壊滅する人類の再建に有用な人たちだった。
建築技術を持つジョン(ジェラルド・バトラー)と妻、息子の一家も指名されて空港へ向かう。
そりゃこんな事態になれば、全人類を救うことができないことは誰にでも判る。
後のことを考えて生き残る人を選ぶことも、そりゃ理屈としては判るよ。
でも、隣の家のジョン一家が助かって、どうして我が家のみんなは死ななければならないんだっ!
こんな風に叫ぶ人の気持ちもよく判る。
この映画は、国中がパニックにより無法地帯と化していき、そんな中で露わになる人間の善と悪を捉えていた。
ジェラルド・バトラー主演だから、つい無双の父親が大活躍をして家族も地球も救う・・・かと思っていたら、まったく違っていた。
本作でのバトラーは、地球滅亡の危機に立ち向かうヒーローではなく、危機に慌てふためく普通の父親だった。
等身大の(しかし、意志は強い)主人公なので、事態を我が身に引き換えてみることができる。
空軍基地に着いたジョン一家だったが、息子の持病により受け入れを拒否され、家族は離れ離れになってしまう。
大混乱の中で、おお、どうしたらいいんだ?
奥さん役のモリーナ・バッカリンは初めて観たが、ちょっとエキゾチックな風貌の美人。
あのガル・ガドットの美人度と若さを少しずつ減らした感じ・・・と言っては失礼か。
政府から指名された人は、その証明となる腕輪をつけている。
自分だけは生き延びようとする愚かで怖ろしい人間性がむきだしになってくる。
彷徨っている奥さんと子供を親切にも車に乗せてくれた中年夫婦。
彼らは母子が腕輪をつけているのを知ると、強引に腕輪を奪ってシェルターへの輸送機に乗ろうとする。
あんなに人の好さそうな夫婦だったのに・・・。
一方で、死を覚悟して静かにその時を待つという人もいる。
さあ、シェルターに向けて飛び立つ最後の飛行機を目指して、ジョン一家はどうなる?
そして隕石が落下する地球はどうなる?
タイトルのグリーンランドはどういう意味だろうと思っていたのだが、シェルターのある場所だった。
なあんだ。もっと意味深なのかと思っていたよ。
なんとなく、どこかで観たような設定ではあるし、主人公一家を追っているので結末はおよそ想像がつくし。
退屈することはありませんが、映画館でわざわざ観なくてもいいかなあ。
(ちょっとしたツッコミ)
惹き文句に「地球最後の2日間」とあったが、生き延びた人もいるわけだから、正しくはないよね。
なんだか、ノアの方舟を思い出してしまった。