あきりんの映画生活

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「P.S.アイラブユー」 (2007年)

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2007年 アメリカ 126分
監督:リチャード・ラグラベネーズ
出演:ヒラリー・スワンク、 ジェラルド・バトラー、 キャシー・ベイツ

ラブ・ストーリー。 ★★☆

最愛の人が亡くなったら、残された者はそれからの人生をどうやって立て直す?
愛する人を忘れたくはないが、いつまでもとらわれていてはそこからの人生もなくなってしまう。
理屈では割り切れないものがそこにはある。

ホリー(ヒラリー・スワンク)は陽気なアイルランド人の夫ジェリー(ジェラルド・バトラー)と幸せな暮らしだった。
だが、ジェリーは脳腫瘍で亡くなってしまう。
人生に絶望していたホリーの元へ、誕生日ケーキと録音テープが届く。
それは、自分がいなくなった後のホリーのことを案じた生前のジェリーが残したものだった。
この手紙の指示に従って、元気になって欲しいと。
それから折に触れてホリーのもとへジェリーからの手紙が届く。

正直なところ、この映画にはもう少し期待していた。
亡くなった後に届く手紙、という筋立ては知っていた。で、期待していた。
ひょっとしたら号泣ものではないか、と期待していた。
が、ちょっと肩すかしだった(汗)。

当然ながらその手紙は、死んでいくことを自覚した者が、自分が死んだあとのことを想像しながら書いたわけだ。
どんな気持ちで書いたのだろうと考えるだけで切なくなるような設定だ。
しかし、どうもあっけらかんとしすぎていた。
手紙を書いたジェリーの痛みのようなものが感じられなかったのだ。

ジェリーの心遣いはよく判る。
手紙を読んだ者がかえって個人への思いを募らせてしまうのではないかという危惧も判る。
そりゃ、自分がいなくなった後のホリーを心配して書くのだから、妙に感傷的になる必要はないのだが、それにしても、である。

ホリーを励ます二人の親友の一人がどこかで見た顔だと思ったら、ジーナ・ガーションだった。
あのレスビアン・大金横取り娘を演じたアヒル口ジーナ・ガーションである。
もっと活躍して欲しい女優さんの一人なのだが・・・。

死者を忘れられないで、という愛の物語といえばやはり「ゴースト」だろう。
あの映画では、残された者にふりかかる事件を解決して亡くなった者は永遠に去っていった。いさぎよさがあった。
この映画の死者は果たしてうまくホリーから去っていけたのだろうか。