1965年 アメリカ
監督:ノーマン・ジェイソン
出演:スティーブ・マックィーン、 アン・マーグレット
ギャンブラー伝。 ★★★
私には、5歳違いのスティーブ・マックィーンとポール・ニューマンは合い競った二人のように思える。
ニューマンの「ハスラー」が作られたのが1961年。
4年後のこの映画、向こうがビリヤードならこちらはポーカーだぜぃ、とマックィーンが言ったか言わなかったか・・・。
若手のスタッド・ポーカーの名手として名を知られてきたシンシナティ・キッド(マックィーン)。
彼は、この世界に君臨する超大物“ザ・マン”ことランシーがニューオリンズにやって来た事を知る。
そして、もう俺の方が強いと息巻くキッドと、若造が何をほざいているかというランシーは、一大勝負に臨む。
音楽はこの頃の売れっ子だったラロ・シフリン。
彼はジャジィな洒落た曲作りの名手だった。「ダーティ・ハリー」やマックィーンの「ブリット」も彼の音楽。
中でも有名なのは、今でも使われている「スパイ大作戦のテーマ」だろう。
ジョギング中に聞いているiPod(今でも使っている!)でこの曲がかかると、走るリズムに拍車がかかる(本当か?)
それはさておき。
もちろん賭けポーカーの世界だから、大金が動く。
スタッド・ポーカーというのは、始めに1枚のカードを伏せてそれぞれに配る。
で、賭け金を払う。自分の手札でどんな役ができるのかの可能性に賭けるわけだ。
2枚目からは表向きで配られる。相手の手札も知ることができる。
その状態でまた賭け金を払う。俺にできる役の可能性はあれとあれで、相手にできる可能性の役はあれとあれか・・・。
キッドが父のように慕っているディーラーがシューター。
長年いかさまをしないディーラーとして評判だった。
しかし、彼の若い妻(アン・マーグレット)は派手好き、男好きのファム・ファタール。
彼女との生活を続けるためにシューターは、腹黒金持ちボンボンのいかさまの話に乗ってしまう。
キッドを勝たせろ、キッドにいい手札を配れっ!
シューターのいかさまに気づくキッド。
俺はいかさまで配られた札での勝負なんかするもんかっ!
さあ、ランシーとの大勝負はどうなる?
映画の後半は、そんな人間模様の中で延々と続くポーカーの勝負シーン。
どちらかの持ち金がなくなるまで、数時間の休憩時間をはさみながら何日もゲームが続けられる。
彼が賭け金をつり上げてきたのは、よほど好い手ができたのか、それともこちらをおろさせようとするハッタリか?・・・
俺のこの手で勝てるのか、それともここは引くべきか?
相手との頭脳勝負。
緊迫感が持続して飽きさせない。
そしてついに最後の大一番となる。
このクライマックスの面白さを充分に味わうためには、やはり基本的なポーカーの手役は知っておいた方がよい。
アクション抜きのマックィーンだが、野心に燃えた若きギャンブラーとして好演だった。
さて、ビリヤード映画とポーカー映画、異種ギャンブルはどちらの勝ち?「