あきりんの映画生活

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「フレンチ・ラン」 (2016年) これは本当にテロなのか?

2016年 イギリス 92分 
監督:ジェームズ・ワトキンス
出演;イドリス・エルバ、 リチャード・マッデン、 シャルロット・ルボン

CIA捜査官とスリのバディもの。 ★★☆

 

冒頭、大勢の観光客でにぎわう広場に全裸の美女が悠然とあらわれる。
もちろんあっけにとられた周囲の人々は大騒ぎ。みんな視線は釘付け、スマホで撮影をはじめる輩もいる。
と、そんな全裸美女に気をとられている人々から財布を次々に抜き取るスリのマイケル(リチャード・マッデン)。
そう、これは報酬を払って全裸美女を雇ったマイケルの仕組んだ仕事だった。

 

これが前振りで、鮮やかなマイケルのスリ技術を十分に印象づけていて面白い。
これからも判るように、この映画は軽い粋な感じで作りましたよという雰囲気である。

 

で本筋。
革命記念日前夜のパリでテロ組織が準備した爆弾が爆発する。
その爆弾は、マイケルがそれとは知らずに盗んで捨てたものだったのだ。
防犯カメラから犯人と疑われたマイケルを、CIA捜査官のブライアー(イドリス・エルバ)が追い詰める。

 

ここでの二人の逃亡&追跡劇が迫力があった。
パリの古いアパート群の屋根の上を、疾走し、跳び移り、跳び降りる。
奇をてらった派手なところはなく、いかにも生身で必死に逃げ、追いかけているという迫力があった。

 

さてマイケルを確保したブライアーだが、マイケルの無実を信じた彼は捜査に協力させることにする。
こうして二人は真犯人を求めてパリの街を駆け回る。

 

と言うことだが、だからといって邦題はいかにもありきたり。
原題はどうかというと、「バスチーユ監獄襲撃記念日」。日本ではフランス革命記念日というところ。
しかしこの映画にそんな政治的背景は皆無だった。これは原題もいまひとつだったな。

 

マイケルの巧みなスリ技術をところどころで活かしているところが楽しい。
疑わしい人物の身元を確かめるために、マイケルがバーで財布の中の身分証明書を抜き取る場面がある。
周りにいる人たちにちょっとした仕掛けをして、それが次々に連鎖反応して見事に財布をすりとる。
おお、これはスリを成功させるためのピタゴラスイッチではないか。愉快だな。

 

(以下、後半のネタバレ)

 

中盤あたりで爆弾計画をした犯人が明らかになる。おお、こいつらは・・・。
やはり政治的なテロなんかじゃなかったのだね。それを装っての悪事だったのだね。
それにしても、フランスの警察って、必ず悪人がいるなあ(苦笑)。

 

さくさくとした軽快な展開で、さくさくと観ることができます。
強面CIA一匹狼捜査官とさわやか若者スリとのコンビも好い感じでした。
見かけたら手にとって損はありませんよ。