2022年 アメリカ 104分
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:ジャレッド・レト
マーベル悪役もの。 ★★
もともとはスパイダーマンの敵役として登場していたモービウス。
その彼を主人公にしたバンパイア・アクションもの。
どちらかというと、バンパイアとかゾンビとかは苦手なのだがなあ。
主人公は幼いころから血液の難病を患っていた医師のモービウス(ジャレッド・レト)。
自分や同じ病棟で育った親友のマイロのために、彼は自分の体を実験台として治療法を探す。
そしてコウモリの血清を注射することによって、超人的なスピードや飛行能力、レーダー能力を身につける。
しかしその代償として血に飢えたバンパイアになってしまったのだ。
ということで、自分の思惑とは別に生理的に人の血を欲してしまうのだが、必死に理性でそれを抑えようとする。
主人公はその葛藤をかかえて苦しむ。
せめては人工血液を飲んで我慢する。しかし、やはり生身からの血が欲しいぞ。どうする。
本来は悪役であった者を主人公としているために、さらなる悪役を設定しなければならない。
ここがなかなかに難しいところ。あの「ヴェノム」と似たようなことになってしまう。
かつての親友であった病人マイロは、モービックが元気な身体になったこと知り、自分もと渇望する。
自分にもコウモリの血清を投与してくれ、元気な身体になれるのだったらその他のことはどうなってもいい!
お前だけが元気になるなんてずるいぞ!
そしてバンパイアになってしまうマイロ。
そうなればマイロは生き血を飲むことを我慢することはできない。今までのような惨めな身体に戻るのは嫌だ!
ついには友情が踏みにじられての戦いが始まってしまう。
他のマーベルものにあるような、地球を守るとか巨大悪を倒すといった大きな風呂敷は広げていなかった。
あくまでもかつての親友との、個人的な関係での戦いとなっていた。その分、感情が濃くあらわされる。
映画全体の雰囲気が暗いのもそのあたりから来ていた。
観終わったあとに、あまりスカッとはしない映画でした。
続編はもういいかな・・・。