あきりんの映画生活

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「エージェント:スティール」 (2013年) 贋作を売って儲けようぜ

2013年 カナダ 90分 
監督:ジョナサン・ソボル
出演:カート・ラッセル

盗みのサスペンスもの。 ★★★

 

運び屋クランチ(カート・ラッセル)は、企画屋の義弟ニッキーらと組んで贋作詐欺をしていた。
冒頭に名画すり替え盗難をやってのけるのだが、その手口には感心した。
こりゃ、この映画期待出来るぞ。

 

一度は(小ずるい)ニッキーに裏切られて刑務所送りとなったクランチだったが、出所後に再び贋作詐欺をすることになる。
しかも恨み骨髄のニッキーも一緒に、だ。

 

他には、初老なのにメチャクチャ女性にもてる女たらしの名簿屋パディ、贋作作りにこだわりを持つプロフェッショナルの偽造屋ギー、それに素人っぽいフランシー。
クランチ、ニッキーと併せて5人のこの詐欺集団、それぞれの人間味がよく出ていて、すっかり肩入れして観てしまう。
やはり人間がきちんと描けている映画は好いなあ。

 

さて請け負った仕事は、伝説の希少本「ヤコブ福音書」をカナダの検問所から盗む、というもの。
しかし監視カメラはあちらこちらにあるわ、警備員が回っているわ、なかなかに大変。
さらにクランチらに目をつけたインターポールも待ち構えている。
さあ、どんな計画でやるんだ?

 

まんまと盗みに成功したら、「ヤコブ福音書」が盗まれたことをニュースにして世界中に知らせるぞ。
えっ、どうしてそんなことをするんだ?

 

(以下、ネタバレ気味)

 

そうなのだ、欲深いクランチら(笑)はなんと「ヤコブ福音書」の贋作を10冊も造るのだ。
そして世界中の収集家10人にこっそりと、盗まれた「ヤコブ福音書」がありまっせ、と声をかけて、高値で売りつけるのだ。

 

こんな盗難に遭った希少本を欲しがる輩は、とにかく欲しがる。金に糸目は付けない。
しかも、盗難品だから自分が持っていることを他人には明かさない。
だから10人に贋作を売りつけても、みんな自分が買ったのが本物だと信じてご満悦になるわけだ。
クランチ、悪い奴だなあ。でも賢いなあ。

 

さらにこの話にはおまけも付くのだ。
恨み骨髄のニッキーにも一泡吹かさなければ気が済まないし、ね。

 

90分でサクサクと観ることができて、エンディングの途中で NGテイクが入っているというおまけ付きだった。
あとに残る何かがあるというほどではないが、よく錬られた脚本で、楽しめた。
しかしこの邦題は意味不明。どこがエージェントだ?