2023年 日本 101分
監督:水田伸生
出演:中島健人、 堤真一
誘拐サスペンス。 ★★☆
国会議員の清治郎(堤真一)の孫娘が誘拐された。
犯人の要求は身代金ではなく、記者会見を開いてお前の罪を自白しろ、というものだった。
えっ? なんだ、この要求は?
たしかにこれは面白い設定である。原作は真保裕一の同名小説(未読)。
政治家たるもの、誰だって一つやふたつは後ろめたいことをしているだろう。
それを国民に告白しろとは・・・。これは困ったぞ。
総理大臣の罪を隠蔽するために、忠臣である清治郎は橋の建設に関する利権汚職を隠さなければならなかった。
この映画の主眼は、政治生命と孫の生命を天秤にかけなければならないこと。
さあ、どうする? もちろん、孫の命の方が大切だよな。
とにかく孫をさらった犯人を捜せ!
犯人は橋の建設計画とどう関わっていたんだ? うん、話しが少しややこしいぞ。
個人的には、主人公役の中島健人がいささか上滑りをしているように感じた。
いくらなんでも悲壮感丸出しすぎるでしょ、という感じかな。まだ青いね(ファンのかた、ごめんなさい)。
そこへいくと清治郎役の堤真一はさすがの安定感だった。
原作未読なので何ともいえないのだが、途中からの真犯人の登場が取って付けたようだった。
あんた、誰? どうして今ごろから出てきたの?
原作ではもっとていねいに真犯人が描かれていたのではないだろうか。脚本が悪い?
それはさておき、お前の罪を自白しろ! これは好い台詞。すべての政治家に言ってやりたい。
裏金とか利権とか、華々しいものもいくつもあって、その陰には庶民がその痕跡すら見つけられない罪がいっぱいあるのだろう。
そんな意味では真犯人が出てきて、なんとか利権と絡めてはいたが、尻すぼみ感は否めなかった。
ちょっと残念。
それにしても、政治家なんて議員辞職をしさえすればそれまでの”罪”は帳消しになるなんて、ちょっと甘いのではないだろうか。
収賄や汚職でどんどん逮捕されなけりゃ。
(迫ってきている都知事選でこんなことが起きたら・・・、噂のお二方はどうするでしょう? あ、私は東京都民ではありませんが。)