あきりんの映画生活

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「フォールガイ」 (2024年) これがVFXではない生身のスタントだよ

2024年 127分 アメリカ 
監督:デビッド・リーチ
出演:ライアン・ゴズリング、 エミリー・ブラント、 アーロン・テイラー=ジョンソン

スタント主役のアクションもの。 ★★★

 

大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルト(ライアン・ゴズリング)。
彼は元恋人のジョディ(エミリー・ブラント)が初監督を務めるときいて、彼女のために復帰することにする。
彼女のためならもう一度頑張ってやってやろう。
コルトよ、ジョディのことがまだ好きなんだな。彼女の方はどうだろう?

 

1980年代の人気ドラマ「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」をリメイクした映画とのこと。
そして監督のデビッド・リーチは自身もスタントマン出身だったとのこと。
それゆえに、スタントマンへの親近感、そして敬愛が感じられる映画だった。

 

ジョディが撮っているのはSF冒険映画(言ってみれば「スターウォーズ」と「砂の惑星DUNE」を合わせたような映画のようだ)。
もちろんアクション場面満載で、スタントマンが大活躍する映画。爆発シーンが繰り返されているぞ。
撮影現場は大忙し。傑作にしようとジョディも撮影に夢中。

 

現場にあらわれたコルトを見ると、どうもジョディはツンデレなのだよ。
今でもコルトのことが好きなのに突き放して接する。もう、見え見え。微笑ましい。
これまで少し硬いイメージを持っていたエミリー・ブラントだったが、意外に可愛いね。

 

コルトとジョディは映画の設定についてみんなの前で議論を始める。
それも拡声器とメガホンを使って大声で。
しかしそれは、ヒーローと敵役エイリアンになぞらえた自分たち二人の恋のやりとり。恋の駆け引き。
思わずニヤリとしてしまう。

 

好きだった場面は、撮影が終わって皆が帰ろうとするときのエピソード。
ジョディが、私の車まで送ってよ、とコルトに頼む。「いいよ」とコルトが乗せて送るのだが、その距離なんと100mだった。笑える。

 

一方、撮影現場では、コルトがスタントダブルを請け負ってきた主演俳優トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が失踪してしまっていた。
プロデューサーのゲイルに頼まれてコルトは彼の行方を捜すことにもなる。

 

ということで、コルトとジョディの焼けぼっくいに火が付くかという大人の恋愛ものと、行方不明事件の捜査というサスペンスの2本立て、一挙公開という内容になっている。

 

映画の中では「メメント」をはじめとする作品ネタが色々と使われている。
題名が出てくるものとしては「テルマ&ルイーズ」、「マイアミ・バイス」、「ロッキー」、「ワイルドスピード」、先日観た「ラストオブモヒカン」などなど。
ノッティングヒルの恋人」と「プリティ・ウーマン」ではジュリア・ロバーツの役柄を混同するという笑わせエピソードもあった。
こういうのは映画ファン心理をくすぐって、嬉しくなるね。

 

結局、トムのスタントマンの他殺死体が見つかり、コルトはその犯人にでっち上げられそうになる。
う~ん、これはなんとかして身の潔白を証明しなくては。真犯人のトムに自白させなければ・・・・

 

そのトム・ライダーは、なんとアクションがまったくできないアクション・スターだった。大スターなのにアクションはすべてスタントマン任せで涼しい顔をしている。
これ、おそらくはトム・クルーズからとっているのではないだろうか。
もちろん、トム・クルーズがスタント並みのアクションを全部自分でやっているからこそ持ってきたのだろうな。リスペクトがあるわけだ。

 

スタントマンが主役なので、映画はどこまでもアクション・シ-ンの連続。
大団円でトムを傍らに乗せたコルトが一大スタントをする。
もうすごいよ。大変に満足できる迫力だった。
アクション映画ファンにはお勧めできる内容です。スタントマンへの畏敬の念も湧いてきますよ。

 

エンドロールに、この映画の実際のスタント場面の映像が映る。
おお、あの場面はこうして撮っていたのか。やはりすごいね。
本作でのゴズリングのスタント・ダブルは4人いたそうです。