
2011年 アメリカ
監督:ベネット・ミラー
出演:ブラッド・ピット、 フィリップ・シーモア・ホフマン
スカウトマン物語。 ★★☆
主役は、高校時代は花形選手だったものの、プロでは大成できなかったビリー(ブラッド・ピット)。
選手を引退した彼は、弱小球団アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任する。
財政的にも厳しい状況にあるアスレチックスは満足な選手の補強もできずに低迷していた。
始めにお断りしておくが、私は野球にはそれほど関心がない。
日本のプロ野球はもちろん、高校野球の中継もTV観戦することはない。
もちろん野茂やイチロー、今の大谷翔平の名前は知っているが、実際の活躍についてはほとんど知らない。
そんな”野球愛”に乏しい私がこの映画を観たのはブラピが出ていたから・・・(汗)。
プロ野球ってどんな選手をチームに集めるかが重要事項であることはよく判る。
マネージャーとしては、結果を出せそうな選手を見抜いてスカウトしなければならないわけだが、評価の高い選手の契約金は高い。
財政が苦しいチームでは欲しい選手が獲得できずに、その結果チームは結果を出せずにさらに財政が苦しくなっていく。
ふむ、負のスパイラルに陥ってしまうわけだ。こりゃ、どうしようもないねえ。
お金のないチームが金持ちチームにどうやったら勝てるか?
選手や監督も大変だが、裏で支えるマネージャーも大変なのだな。
ある年にビリーは独自に選手のデータ分析を行っていた青年ピーター(ジョナ・ヒル)と出会う。
ピーターはデータを重視した斬新な選手評価をする人物だった。
よし、これで行くぞ! ビリーは彼のデータ評価を尊重して、他球団からは低評価の安い選手をトレードして集め始める。
当然のこととして周囲からは孟反発を招く。
チームには何人ものスカウトマンが居るものらしい。
彼らが、俺たちは長年の経験で養った感で選手をスカウトするのだ、そんなデータに頼ってどうする?とビリーに反発する。
データ野球なんて言葉がなかったころなのだろう。それでもビリーは確固とした信念で戦略を貫き通していく。
それにしてもスカウトとかトレードとかが実にあっさりとおこなわれているのには驚いた。言ってみれば、カードゲームで手札を交換するようなもの。
プロであるからには致し方ないのだろうけれども、選手はまったくゲームの駒としてしか扱われていない。
ある日いきなりお前はトレードだなんて言われたら・・・、さすがに同情してしまうなあ。
強引なビリーのやりかただったのだが、ある年に彼のチームに奇蹟が起きるのだ。
えっ、まさか。昨日もそうだったし、今日もこうだったのか。じゃあ、明日はどうなる?
連日のスポーツ番組の報道が乱れ飛ぶ。
まるで漫画のような展開だったが、実話ベースのもののようだ。
映画自体としては淡々としたドキュメンタリーのような描き方で、盛り上がりにはいささか欠けていた気がする。
野球好きの人が観たら、もっと楽しめたのだろうな。