あきりんの映画生活

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「タイガー 蘇る伝説のスパイ」 (2017年) タイガーは必ず蘇るっ!

2017年 インド 161分 
監督:アリ・アッバス・ザファル
出演:サルマーン・カーン、 カトリーナ・カイフ

タイガー・シリーズ第2作。 ★★★

 

本シリーズの第1作は、2012年に作られた「タイガー 伝説のスパイ」だった。
まだ荒削りのところはあるものの、インド映画も本格的なアクション映画を作るようになったのだなと思ったものだった。
そして昨年、「タイガー 裏切りのスパイ」が公開されたのだが、これはシリーズ第3作だった。
あれ、第2作は?

 

本作が第2作なのだが、何故か本邦未公開、DVD化なし、という状態だったのだ。
嬉しいことにそんな本作を民放BSが放送してくれたのだ。
しかも、161分の長尺をノー・カットで放送! ありがとう!

 

さて。
元インド諜報部(RAW)のタイガー(サルマーン・カーン)は、元パキスタン諜報員のゾヤ(カトリーナ・カイフ)と幸せな生活を送っていた。
このRAWというのはCIA、KGB、MI6のインド版といった組織のようだ。
前作で因縁国であるパキスタン諜報員と恋仲になってしまったことで、タイガーはひっそりと暮らしていたのだ。

 

しかし、イラクイスラム過激派による40人のインド人看護師人質事件が発生する。
米国は7日後にはその施設を空爆するという。それまでに人質を救出しなければ・・・。
頼れるのはあの男だけだっ、RAW はタイガーに人質救出を依頼する。

 

ということで物語は単純明快。敵もはっきりしている。
タイガーは狙撃や爆破、ITのエキスパート3人とチームを結成して敵地に乗り込む。
さあ、あとはシリアスな正統派スパイアクションを楽しむだけだぜい。

 

途中からは、人質に15人のパキスタン人看護婦もいたということで、ゾヤも救出作戦に協力してくる。
おお、Mr.&Mrsスミスぐらいの最強夫婦のそろい踏みだ。

 

サルマーン・カーン(私は密かにインドの仲代達矢と呼んでいる)が上半身を露わにする場面がある。
えっ、スタローンかシュワちゃんか!というものすごい大胸筋には感心した。
このとき、もう50歳ぐらいだろ、すごいな。

 

情勢に疎かったためにいささか戸惑ったのが、インドとパキスタンの関係。
どうも両国は敵対国であるようなのだ(韓国と北朝鮮みたいなもの?)。
だから、タイガー率いるインドチームと、ゾヤが率いるパキスタンチームが協同作戦をはじめたことに両国の諜報部幹部は驚き、怒り始めたりする。
しかしこのシリーズの根底には、タイガーとゾヤの関係が象徴するような両国の友愛を求める気持ちがあるようだ。

 

アメリカの立ち位置の描き方は微妙。
悪国ではないのだが、自国本位の考えで他国に介入している。
非戦闘員の人質? それでも作戦遂行のためには7日後には爆撃するよ。助け出したいのだったらそれまでにやっておけよ。

 

途中でインターミッションもあった。
そこまでの前半はやや冗長な感じもしたのだが、後半になるとハリウッドも顔負けの本格アクションが続く(これがどうして本邦未公開だったのだ?)。
敵地への潜入、銃撃戦、爆発、そして臆面もないワイアアクションの連続。
いいねえ。

 

インド映画お約束のダンスと歌は、このシリアス・アクションものではさすがに途中にはなかった。
しかし、エンドロール時に主役二人を中心にした群舞をちゃんと見せてくれた。
よかった、よかった。