あきりんの映画生活

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「トラップ」 (2024年) さあ、この大観衆の中でどうする?

 

2024年 105分 アメリカ 
監督:ナイト・シャマラン
出演:ジョシュ・ハートネット、 サレカ・シャラマン

悪人サスペンスもの。 ★★★

 

本作の舞台は、数万人が詰めかけた超人気歌手レディ・レイブン(サレカ・シャラマン)のライブ会場。
レイブンの大ファンである娘ライリーのためにプラチナチケットを手に入れたクーパー(ジョシュ・ハートネット)は、娘とともに会場へ。
ライリーは大興奮。娘のその様子を見るクーパーも嬉しそう。子煩悩な好いパパだな。

 

ところがその会場には大勢の警官が物々しい警戒にあたっており、いたるところに監視カメラが取りつけられていた。
華やかな会場なのに、いったいこれは?

 

予告でも映画紹介でもばんばん書かれているので明らかにしてしまうが、娘思いの父親クーパーは実は“ブッチャー”と呼ばれる指名手配中の殺人鬼だったのだ。
そのブッチャーがこのコンサートに来るという情報を得た警察は、凄腕分析官の指示の元に総力を挙げて逮捕を狙っていたのだ。

 

ということでこの映画は、いかに警察が殺人犯を捕らえるか、ではなく、いかにクーパーがこの包囲網から脱出するか、を描いている。
さあ、クーパーはあの手この手を使って脱出しようとする。
しかも何も知らない娘には絶対に気取られないように、だ。

 

重要な登場人物であるレディ・レイブン。
かなりの尺を取って彼女の舞台様子が描かれるのだが、そのショーは見事なものだった。
この女優さんは歌も上手いけれど実際に本人が歌っているのだろうかとも思いながら観ていた。
・・・本人がちゃんと歌っていた。しかも劇中の楽曲も彼女の作曲したものだった。へえ~。
そして彼女はシャラマン監督の長女だった。へえ~。

 

舞台メイクという設定なので、バッチバッチのつけまつげに濃い化粧。
印象的に分厚い下唇。個性的な美人さんである。
舞台での歌や踊りも見事だったが、後半になると、殺人犯クーパーとの攻防も演じていた。
やるなあ。

 

そう、後半になると、正体もばれてしまったクーパーの必死の逃亡サスペンスとなる。
幾度となくもうこれで捕まって終わりだろという場面からクーパーはしぶとく逃げる。
おお、おお、まだやるのか。つい、頑張れよクーパーとも言いたくなるほど。

 

シャラマン監督の映画と言えば、「シックスセンス」をはじめとしたどんでん返しの面白さのものもある。
本作はそういったどんでん返しはない。
しかし凝った物語設定による緊張感はずっと続き、最後まで惹きつけられた。
クーパー、最後の最後までやるね。