
2022年 114分 日本
監督:平川雄一朗
出演:清野菜名、松坂桃李
遠距離プラトニックラブ。 ★☆
タイトルに何か聞き覚えがあるなと思ったのだが、ジブリのアニメ映画にもなっていたのだった(未見)。
原作は同名漫画とのこと。
清野菜名、松坂桃李という出演者の顔ぶれに惹かれて鑑賞。
ジプリ版アニメでは中学時代だけの物語だったらしい。
この映画では、それに加えて10年後の大人になった二人を描いていた。
(以下、この映画についてはかなり貶します)
読書好きで作家になることをめざす月島雫、チェロ奏者をめざす天沢聖司、二人は中学時代に出会う。
まもなく聖司はチェロの勉強のためにイタリアへ渡り、そこから二人の遠距離恋愛が始まる。
映画は10年後の今の二人のそれぞれを描き、その途中に中学時代のようすが挟み込まれるという構成。
こんなことを書くと頑張った少女俳優さんには悪い気もするのだが、中学生時代の雫の演技は浮いていた。
リアル感がなく、それこそ”漫画の少女”の、少し大袈裟な動き、顔の表情、話し方なのである。
ああ、アニメだったらこんな風に表現されているだろうな、という感じであった。
これは監督が意図してそのような演技をさせたのだろうが、完全に失敗していた。
現在の二人の描き方も予定調和的だった。
作家になる夢がなかなかかなわずに挫折しそうになる雫、そして異国の地で着々とチェロ奏者の道を歩む聖司。
10年ぶりのイタリアでの再会や、聖司の帰国など、あまりにも軽く深みのない展開だった。
だいたいが、”耳をすませて心の中の水音を聞く”という仕草も、漫画やアニメだったら成り立つ絵柄だろうが、実写にはそぐわなかった。
観ているこちらが恥ずかしくなった。
アニメ版を観ていないので大きなことは言えないのだが、アニメと実写、どう表現するかは根本的に異なるところがあるのだと思う。
贔屓の清野と松坂主演だったのだが(もちろん二人はよかったのだが)、映画は平凡なものだった。
いや、語弊を怖れずに言えば、陳腐だった(この映画がお気に入りだった方、ごめんなさい)。
残念。