2005年 アメリカ 103分
監督:ジョン・メイバリー
出演:エイドリアン・ブロディ、 キーラ・ナイトレイ
クリス・クリストファーソン、 ジェニファー・ジェイソン・リー、 ダニエル・クレイグ
タイムトラベルもののサスペンス。 ★★★
湾岸戦争の後遺症で記憶障害となったジャック(エイドリアン・ブロディ)は、警官殺しの罪をきせられて精神病院に収容されてしまう。
矯正治療の名目で拘束衣を着せられたジャックは狭い引き出し棚に閉じ込められるのだが、そこで彼は15年後にタイムスリップしてしまう。
この映画もまた時を移動して過去を変えようというもの。
主人公が記憶障害であり、タイムスリップは拘束衣を来て死体安置棚に入れられるとおこるという、少し気持ちのよくない設定である。
「バタフライ・エフェクト」や「スライディング・ドア」とも、またひと味違ったテイストであった。
ジャックは15年後の世界でジャッキー(キーラ・ナイトレイ)と知り合うのだが、実は幼かった頃の彼女と出会っていたのだった。
(このあたりは「きみがぼくを見つけた日」を思わせる)。
ジャッキーは母親をある事故で亡くし、孤独な状態だったのだ。
彼女は、ジャックは15年前にすでに死亡していると告げる。
えっ? そりゃ、ジャックも驚くわな。自分がもう死んでいると知らされるのだから。
すると、あれ?今、生きている自分はどうなっているんだろう?
このあたりは、あとで、タイムスリップものの大命題、”過去に介入したらどうなる?”ということに絡んでくるわけだ。
なかなか良いよ。
そこからジャックは現在と未来を行き来しては、自分の死の謎を解こうとしたり、ある少年を救ったり、ジャッキーの未来を幸せなものにしようとしたりする。
このあたりは大きな齟齬もなく、上手く作っていた。
目の下にクマを入れたようなメイキャップのキーラ・ナイトレイが薄幸の雰囲気を出していて良かった。
ジャックの主治医役で出ていたクリス・クリストファーソンが素晴らしい存在感であった。
翌年には新ボンドになるダニエル・クレイグが、ジャックの病院仲間で出ていたのだが、あまりのふくよかさにすっかり気がつかなかった。
1年であんなに精悍になるなんて、役者ってすごいものだ。
それにしても、最後の台詞、「あと何時間あるの?」はどんな意味だったのだろう・・・。
私の想像はあたっているのだろうか?
でも、そうすると悲しすぎるなあ。
あまり評判を聞かなかった映画ですが、意外と楽しめました。
「バタフライ・エフェクト」系が好きな人でしたら、お勧めです。