あきりんの映画生活

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ガラスの墓標 (1969年)

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1969年 フランス 97分
監督:ピエール・コラルニック
出演:セルジュ・ゲンズブール、 ジェーン・バーキン、 ポール・ニコラス

苦い味わいのノワールもの。 ★☆

凄腕の二人組の殺し屋の一人セルジュ(セルジュ・ゲンズブール)が、ボスの命令を受けてパリへやってくる。しかし、相手の麻薬組織の待ち伏せにあい、大怪我を負ってしまう。
偶然知り合った大使令嬢のジェーン(ジェーン・バーキン)に助けられたセルジュは、彼女と恋人関係になるのだが、そこへ相棒のポール(ポール・ニコラス)がアメリカからやってくる。

原題は「大麻」。しかし、特に麻薬に溺れる若者を描くとか、そういったものではなく、麻薬組織をめぐる抗争が軸になっているということ。
「ガラスの墓標」なんて、邦題も何のことかよくわからないが、原題の直訳よりは人目を引いて受けるだろう。

相棒のポールはセルジュに対してある種の好意を抱いていたようだ。そんな二人の間へジェーンが割り込んできたわけだ。
この関係は、と、そうだ、「さらば、わが愛/覇王別姫」の三人と同じだ。
目の前で愛し合うセルジュとジェーンを見るポールの、鬱屈したような姿が印象的に映される。

映像は格好良く写そうとした狙いが見え、かなりお洒落な部分もあって、かなり良い。
しかし、残念なことに映画自体はかなり退屈だった。何が退屈だったのだろう?
筋立てはちゃんとしているし、セルジュを間にしての3人の心模様もていねいに描かれている。
映像も良く、筋立ても良い。それなのに、退屈? なぜ?

セルジュを求めるジェーンが官能的である。
同棲生活をしていたというセルジュ・ゲンズブールジェーン・バーキンの演技があまりにもエロいというので、当時はかなり話題になったようだ。
40年前のことなので、今観ればそんなに騒ぐほどでもないのだが、(たとえば「アレックス」のモニカ・ベルッチとバンサン・カッセルに比べれば節度があると思える)、当時としてはたしかにそうだったのだろう。

最後は、殺し屋の宿命とでもいうべき苦い味わいとなる。
う~む、なぜ、退屈してしまったのだろう。自分でもわからない。
映画全体の出来としては悪くないはずなんだが・・・。