2008年 日本 111分
監督:マックス・マニックス
出演:椎名桔平、 長谷川京子、 ゲーリー・オールドマン
和製ハードボイルド。 ★☆
バリー・アイスラー原作を、オーストラリア人監督が東京を舞台にして撮った映画。
出演者は日本人が中心で、外人さんが共演という形。一応、日本映画だそうです。
主人公は日系アメリカ人の凄腕暗殺者ジョン・レイン(椎名桔平)。
日本での仕事は高級官僚を自然死に見せかけて殺し、極秘データを記録したUSBを入手するというものだった。
そんなレインを、CIA日本支局も必死で追っていた。
設定としては悪くないんだがなあ。
しかし、実際には、これがハードボイルドかと、途中で呆れて愕然とした。
ぬるい。緊迫感がない。
椎名桔平があまりにも普通の青年過ぎる。あまりにも酷い。
凄腕暗殺者って、いったい誰のことだといいたくなる。
レインは殺した官僚の娘(長谷川京子)に接触し、なぜか彼女を助けながら東京の街を逃亡する。
ところが、2人の行動は、至る所に設置された監視カメラによってことごとくマークされていた。
世界的な暗殺者が、一人の女性にあんなににやけてたのでは、これまでの仕事は何だったんだ?と疑問に思える。
しんみりと思い出話なんかをする暗殺者がどこにいるというのだっ!
それに二人の会話のお粗末さ。
純愛映画だってもう少しマシだろ。観ている方が恥ずかしくなったぞ。
ゴルゴ13の無表情さ、冷酷さを見習えよ。
ゴルゴ13は、ベッドを共にした女性でも、目撃者を残さないために射殺したではないか。
それに、怒鳴り散らしてばかりいるCIAの支局長(G・オールドマン)も滑稽だった。気の毒になってくるほど。
もう少し陰影のある演技を期待していたのだが。
日本の刑事を演じる柄本明だけが、独特の雰囲気があって好かった。
原作はかなり面白いのではないだろうか。
映画の方は、もう、さっぱりでした。