監督:ジナョサン・デミ
出演:タンディ・ニュートン、 マーク・ウォール。バーグ
名作サスペンスのリメイク。 ★☆
ああ、観るんじゃなかった。
あのオードリー・ヘップバーンの名作のひとつ「シャレード」なので、どんな風にリメイクされたのかなと、興味を持ってしまったのがいけなかった。
オリジナルの持っていたお洒落なサスペンスといったテイストを、なんとか真似しようとしたのだろうけれども、監督の力量が足らなかったなあ。
オリジナルの監督はスタンリー・ドーネン。
ヒロインのタンディ・ニュートンは「MI:供廚凌諭実はあの映画のときも、彼女はあまり好みではなかった(笑)。
本来の物語はちゃんと奥行きのあるもの。
いきなり新婚の夫が殺されてしまった新妻が、わけがわからないままに大金の争奪騒動に巻き込まれる。
ヒロインを付け狙う悪人たちとは、夫が抱えていた秘密とは、大金はどこにあるのか、そしてヒロインを助ける謎の男の正体は?
そんな風なのだが、登場してくる人物の描き方があまりにもご都合主義。
夫を殺した犯人の某も、悪人なのだか、同情するべき人なのか、とても曖昧。
パリ警察の女警部も役割がぼやけていて、どうもはっきりしない。
そんな人物たちが右往左往するものだから、謎が、わくわくするような謎にならなくて、真相がわかっても、あ、そう、というだけに終わってしまった。なんや、つまらないの。
びっくりしたのは、・・・えっ!アンナ・カリーナが出ていた?
あの「気狂いピエロ」のアンナ・カリーナ? ゴダールの愛人だったアンナ・カリーナ?
わからなかったなあ。
意味ありげにすれ違った黒いベールの女性だったのだろうか?
この映画で一番よかったのは、シャルル・アズナブールだったか。
彼は物語とは無関係に画面に登場してきて、シャンソンを歌う。面白い。
途中で、「あの『ピアニストを撃て』のアズナブール?」という台詞もあったし。
日本未公開だったとか。
そうだろうなあ、と容易に納得してしまう映画です。