あきりんの映画生活

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「評決」 (1982年)

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1982年 アメリ
監督:シドニー・ルメット
出演:ポール・ニューマン、 シャーロット・ランプリング

法廷もの。 ★★★☆

法廷ものには面白いものがおおい。
クリスティが原作の「情婦」もそうだったし、邦画では「十二人の優しい日本人」「ゆれる」も面白かった。
法廷では理屈での争いになるので、そのやりとりを支える脚本がしっかりしているのだろう。

この映画の主人公の弁護士(ポール・ニューマン)は、ある事件をきっかけにしてすっかりやる気をなくした酔いどれ弁護士。
示談での礼金目当てに引き受けた医療訴訟だったが、植物人間となった被害者の姿を見て正義感に目覚める。しかし、訴訟の相手は有名な医師と立派な大病院。遣り手の弁護士を立ててくる。
さあ、裁判に勝てるか?

事故は帝王切開術時の全身麻酔で起こっている。
裁判の前半では、蘇生に要した時間がかかったために植物人間になったのではないか、そこに医療ミスがあったのではないか、と言ったような追求をしていたが、それは付随的なことで、この医療事故の本質ではないだろう。それははじめからわかっていること。
焦点は、胃に食物残渣があった状態での全身麻酔の可否。
後半になり、焦点が絞られてくる。マスクに中に嘔吐した、と言っていたが、普通は挿管をしているだろうから口腔内に嘔吐したものが気道に逆流した、というのが正しいと思える。
ま、そんなことはさておき。

みんなから大病院相手の裁判に勝てるはずはないから示談に応じろといわれるポール・ニューマン
いやいや、俺は正義に目覚めたんだ、なんとしてでも被害者に勝訴をもたらすぞ。
しかし、肝心の裁判長まで被告側の味方ではないか。こりゃ、駄目なんじゃないの。

いろいろと駆けずり回って、ニューマンも一発逆転を狙う。どうだ! 
ところが・・・。

形勢不利とみた相手側は杓子定規な法律解釈を盾に、こちらのせっかくの証人の言葉をないものにしようとする。
う~ん、腹立たしいぞ。
さあ、ここでポール・ニューマンの最後の見せ場。
アメリカの裁判では、日本でも始まった陪審員制度が大きな要素になっている。陪審員人間性に訴えかける弁論をおこなう。さあ、どうだ。

物語の途中では妖しい美女、シャーロット・ランプリングも登場してくる。
少しへの字になったような彼女の唇が魅力的でもあり、怪しくもあり。いったい、彼女は何者なんだ?

ちょっと甘い展開もあったが、緊張感もあるし、最後まであっという間に見終わった。
シドニー・ルメット監督の法廷ものと言えば、名作との評価がされている「十二人の怒れる男」がある。
わたしは未だ観ていないのです。観なくては・・・。