あきりんの映画生活

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阪急電車 片道15分の奇跡

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日本 119分
監督:三宅喜重
出演:中谷美紀、 戸田恵梨香、 宮本信子、 南果歩

人情群像ドラマ。 ★★★

関西人なら誰でもお世話になっている阪急電車だが、この映画の舞台は今津線
その電車に乗り合わせる人々の人生が交叉する。
もう狙いどころはあまりにも見えているのだが、あざとくはなっておらず、楽しむことができた。

群像劇だが、登場する8人の紹介のような映像が出るので、とても判りやすい。
後輩に婚約者を寝取られたOL(中谷美紀)は、純白のドレス姿で彼らの結婚式に参列する。
付き合っている彼のDVに悩む女子大生(戸田恵梨香)。
傍若無人なママ友との付き合いに振りまわされつづける平凡な主婦(南果歩)。
軍事オタク、野草オタクでそれぞれ友人たちから浮いていた男女は、ぎごちなく付き合い始める。
年上の会社員の彼と付き合っている女子高生は、憧れの大学への合格が厳しい状況。
苛めに遭っている小学生の女のこ。
それに狂言回しのような存在の孫娘を連れた老婦人(宮本信子)。

それらの人々が電車の中で出会い、ちょっとしたふれあいをしていく。
そのふれ合いはかすかなものなのだが、それぞれに悩みを抱えていた人に転機を与えてくれる。
見終わって、気持ちがほんのりとしてくる。
これは、まるで大人のためのおとぎ話のような映画だな。

(以下、お気に入りの場面を書いてあります、これから観る方はご注意を)

苛められていた小学生の女の子に話しかける中谷美紀
中谷 : お姉さんやあなたのようにきれいな子は、苛められやすいのよ。
少女 : ひとつ聞いてもいいですか。
中谷 : なあに?
少女 : お姉さんは今、幸せですか?・・・
中谷美紀が思わず、そうきたか!と呟く。面白い。

宮本信子が孫娘に話すふりをして、彼氏のDVにあって呆然としている戸田恵梨香に聞こえるようにいう。
宮本 : 泣いてもかまわないわ。でも、自分で涙を止められる女になりなさい。

うむ、格好いい。
おそらく原作にもこのセリフがあるのだろうけど、もしなければ脚本が素晴らしいということになるなあ。