あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「アイデンティティー」 (2003年)

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2003年 アメリカ 90分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック、 アマンダ・ピート

サイコ・サスペンス。 ★★★☆

大雨で孤立したモーテルに行き暮れた人々がたどりついてくる。
売れないくせにプライドの高い女優とその付け人(ジョン・キューザック)。キューザックが事故で大怪我をさせてしまった妻をかかえた夫とその幼い連れ子。大金を持っている娼婦(アマンダ・ピート)。殺人犯と彼を護送中の警官。それに新婚のカップル。
それに妙におどおどとした管理人。

みんな、一癖ありそう。
川は氾濫してどこにも行けないし、電話も不通となっている。
こんな状況で何も起こらないはずがない (映画だし、ね)。

案の定、ひとり、またひとりと殺されていく。
しかも、殺された人物はモーテルの部屋の鍵を持っており、それはルーム・ナンバー順になっていたのだ。
はたして、殺人犯の目的は? この連続殺人にはどんな意味が?

ここで観ている人に、あれ? この展開はなんだ? と思わせるのが、同じ頃にまったく離れた場所でおこなわれている連続殺人犯の精神鑑定の場面。
あの雨のモーテルと、この精神鑑定にどんな関係があるのだ?

(以下、完全ネタバレあり。ご注意)



多重人格者の脳内物語、という”オチ”に、なあんだ、と言う人もいるだろう。
もちろんこのオチに持ってくれば、死体消失だって、なんだってできてしまう。だから、それはズルイという意見もあるだろう。

でもまあ、そんなことを差し引いても、物語はうまく持っていると思う。
私は個人的にはまったくOKだった。
「24人のビリー・ミリガン」でお馴染みになった多重人格なので、物語の構成もなるほどと思わせる。
実際にはこんな風にはならないのだろうけれども、視覚化すればこんな風になるのかなとみせてくれていた。

それに最後のどんでん返しね。あれにはやられたし。
主人公には母が娼婦だったために苛められたというトラウマがあったのだから、たしかに娼婦を許すわけはなかったんだよね。

ということで、この映画は、設定そのものを認められるかどうかで評価が変わると思える。
私は、ちょっとずっりいなあ、とも思ったのだが、それ以上に、上手く作ったものだなと感心しました。