2004年 アメリカ 103分
監督:マイク・ニコルズ
出演:ジュード・ロウ、 ジュリア・ロバーツ、 ナタリー・ポートマン、 クライブ・オーウェン
4人の男女の愛憎劇。 ★★★
なにしろこの男女4人の顔ぶれである。すごい。
てっきり美男美女がくり広げる美しい恋愛ものかと思ったら、これがとんでもない愛憎もの。
4人が出逢い、好きになったり、裏切ったり、それでも思いを断ち切れなかったりと、どろどろとした雰囲気での愛のドラマである。
部隊はロンドン。小説家志望のダン(ジュード・ロウ)はニューヨークからやって来たばかりのストリッパー、アリス(ナタリー・ポートマン)と出会い、間もなく2人は同棲を始める。
あっという間に1年半がたち、作家デビューをすることになったダンは、撮影スタジオでカメラマンのアンナ(ジュリア・ロバーツ)に一目惚れしてしまうが、アリスの存在を知ったアンナはその気にならない。
あっという間に半年がたち、ダンがチャットでした悪戯がきっかけでアンナと医師ラリー(クライヴ・オーウェン)が偶然に出逢い、惹かれ合う。
このあとも、それぞれの求め合う相手が入れ替わったりして、愛と嫉妬と憎しみと憐憫と、それらが4人のそれぞれのなかで複雑に交叉する。
非常にきわどいセリフのやりとりが多い。
浮気をした相手にどこでセックスをしたのかと問い詰めたり、感じたのかと問い詰めたり。
どこまで生の感情をぶつけ合うんだ、と、こちらの気持ちもささくれ立ってくるほど。
真実を語ることによって、そして真実を語らせることによって愛を確かめたいという、幻を見ているのだろうと思えてくる。
過激なセリフにひきかえ、映像としては性的な描写はほとんどない。
元々が舞台劇だったらしいので、その影響があるのだろうか。
ストリッパー役のポートマンがきわどい衣装での姿態を見せてくれるが、まったく嫌らしいことはなくて、さすがポートマン、可愛くてきれい。
”クローサー”というタイトルは、もっとあなたの近くへ行きたい、とか、もっとあなたに近づくために”とか、そんな意味合いなのだろう。
しかし、恋愛はそんなに甘いものではなく、嘘をつかずに付き合おうとすればどうしても傷つき合いになってしまう、そんな感じ。
人を好きになったときの苦しさ(嫉妬も含めて)を、これでもかと突きつけてくる。
きれい事だけではすまされない、そんな覚悟がいることを思いしらされる。
間違えても恋人と一緒に観てはいけません。恋は気まずくなるでしょう。
そんな映画です(苦笑)。