監督：マイケル・ベイ
出演:ショーン・コネリー、 ニコラス・ケイジ、 エド・ハリス、
要塞潜入アクションもの。 ★★★☆
脱獄不可能とされたアルカトラズ島の監獄、通称”ザ・ロック”。
ここからの脱獄を描いた映画が、クリント・イ－ストウッドの「アルカトラズからの脱出」だった。
本作はそんなアルカトラズを逆手にとって、反逆軍が立てこもったアルカトラズに潜入しようというもの。
戦死した兵士に敬意を払わない国に怒ったハメル准将（エド・ハリス）が、腹心の部下を引きつれて毒ガス搭載のミサイルとともにアルカトラズ島に立て籠もる。
島を訪れていた観光客も人質にとってしまう。
毒ガス・ミサイルはサンフランシスコに照準が合わせられ、１億ドルの身代金が要求される。さあ、困ったぞ。
状況は非常に単純明快で、これからの映画の楽しみのポイントを的確に示してくれる。
こんな風にすっきりと面白さの方向を打ち出せるのは、傑作映画になる要素の一つ。
そして傑作になる要素のもうひとつは、活躍する人物像の設定にある。これも大事。
国はアルカトラズへ鎮圧軍を派遣しようとする。
メンバーの一人に、毒ガス・ミサイルを処理する技術を持ったグッドスピード（ニコラス・ケイジ）も加えられる。技術屋なので戦闘にはまったく無縁という設定。
ちょっと変形の、”巻き込まれ型”ヒーローといったところ。
何故、私が潜入メンバーで行かなくてはならないんですか？と、8文字眉毛のいつもの困り顔（笑）。
そして潜入の案内をするのが、脱出不可能と言われたアルカトラズからの逃亡に成功した唯一の人物、元英国諜報部員メイソン（ショ－ン・コネリー）。
こちらはバリバリのアクション人間。沈着冷静、頭脳明晰、俊敏即断、という正統派ヒーロー。格好いいねえ。
身代金を要求して立てこもったけれども決して悪人ではないエド・ハリスも渋い感じで、いい。
難攻不落なアルカトラズのわりにはあっさりと潜入できてしまったり、潜入した鎮圧軍が、主役2人を残してあっさりと全滅したり、と、多少ご都合主義的なところはある。
しかし、対照的な主役2人の駆け引きが適度なユーモアを付け加えて、次々と展開するアクションも飽きさせない。
例によって、国家は多数を生かすために少数を切り捨てる判断をする。
潜入してせっかく頑張っている二人を見捨てて、人質もろとも島を爆撃しようとするのだ。
う～む、どこかで見たような設定だなあ。それとも、これを真似した映画を観たのだったか・・・？
そのタイムリミットが迫るぞ。さあ、絶体絶命の二人と人質は？
アクションものとして充分に楽しめる作品でした。
